IBM、Cognosを組み込んだビジネス展開を国内で本格化BIソリューションセンターを開設

» 2008年07月07日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本IBMは昨年11月に米本社が買収したビジネス・インテリジェンス(BI)大手のコグノスを組み込んだビジネス展開を本格化させる考えだ。7月7日にはBIを導入する顧客、販売するパートナーを対象に、デモンストレーションから技術支援までを一貫して提供する「IBM BIソリューションセンター」を東京都渋谷区の日本IBM新渋谷事業所内に開設した。

 日本IBMは同日開催したイベントで、IBMのハードウェアやミドルウェアとコグノス製品を組み合わせた業種別のソリューションも開発していくことを明らかにした。金融、流通、製造などの各業種に対して最適化したデータモデルのほか、BIのテンプレート、開発方法論などを提供し、「情報統合・活用の全フェイズをエンド・ツー・エンドで支援する」(日本IBM)ことを目指す。

日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 理事の下垣典弘氏

 イベントでは開発した業種別ソリューションとして「製薬MR向け 営業支援ソリューション」を紹介した。Cognos 8をベースにしたソリューションで、各営業担当者の業績をダッシュボードで一覧管理できるようにした。成績不振の担当者の営業内容をドリルダウンして調べることもでき、その担当者が行っている営業のセールストークと、ほかの担当者が行っていて成功しているセールストークを比較することなどができる。日本IBMはコンタクトセンター向けのBIソリューションもすでに開発している。

 IBMは企業の情報活用基盤の考え方として「Information On Demand」(IOD)を訴えている。IODは「必要なアプリケーションが必要に応じて必要なデータにアクセスできるIT基盤」(日本IBM ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部 事業部長 理事の下垣典弘氏)で、情報の管理、統合、分析が3本柱。企業に蓄積されるデータを活用し、競争力を高めることが基本の考え方だ。

 情報の管理、統合、分析のIODの3本柱の内、「IBM Cognos 8 BI」「IBM Cognos 8 Planning」は分析のカテゴリに属する。Cognos 8 BIはOLAP、クエリなどの機能を持つBI製品、Cognos 8 Planningは業績予測、シミュレーションの機能を持つ製品。それぞれ、データベースの「IBM DB2」やETL機能を持つ「IBM Information Server」と連携する。

 IBMはまた、メインフレーム「IBM System z」で稼働するLinuxに対応したCognos 8 BIの提供を開始したことも明らかにした。

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