ドラッグ&ドロップでスケールアウト環境を構築
クラウド・コンピューティングを実現する3teraがクールな理由
2008/07/15
クラウド・コンピューティング環境を制御するソフトウェア、「AppLogic」を開発する米3tera(スリーテラ)が、国内独占販売代理店であるネットワンシステムズのプライベート・カンファレンスで自社の事業を説明した。
米3tera 会長兼CEOのバリー・リン氏プレスリリースなどでは「グリッドOS」と表現されていて誤解を招きそうだが、AppLogicはクラウド・コンピューティングあるいはPaaS(Platform as a Service)のサービスを構築・運用するための環境を一括して提供するソフトウェア。オープンソースのXenをハイパーバイザとして利用し、この上で仮想サーバとして各種アプリケーションを稼働できる。アプリケーションへの負荷が高まってくると、自動あるいは手動で同構成の仮想マシンを追加的に起動し、スケールアウトすることができる。
「ITに投資するより、利益に直結する投資をしなければならない企業がある。一方でITを十分に活用できていない企業もある。急激に人気が高まったために(サービスに支障を来たし)傷ついてしまったTwitterのようなサービスもある。AppLogicでは、ビジネスの成長に応じてITインフラを成長させる環境を提供できる」と、米3tera 会長兼CEOのバリー・リン(Barry X Lynn)氏は話した。
AppLogicに必要なハードウェアは、ギガビットイーサネット・スイッチと複数のx86サーバ機。クラウドを構成するサーバ機にAppLogicのサービス・ソフトウェアをインストールしてXenを稼働。Apache、MySQL、SugarCRMなどのオープンソース・ソフトウェアについては、仮想アプライアンス(OS+アプリケーション)があらかじめ用意されていて、利用したいソフトを選択して設定すれば、これらを仮想サーバとして起動できる。
クラウド・コンピューティング環境は、仮想アプライアンスをグラフィカルなツール上でつなげていくことによって構築する。まず標準的なツールとして、サーバ負荷分散機能が仮想アプライアンスとして実装されているため、複数のWebサーバプロセスの前段で動かす。Webサーバの背後でデータベースを稼働したければ、例えばMySQLのアイコンをメニューから選択し、ドラッグ&ドロップしてWebサーバと線でつなぐ(下図)。
左側に見える仮想アプライアンスのリストからドラッグ&ドロップし、線でつなげていくことでシステムを構築する各仮想アプライアンスについてはCPU時間、メモリ利用量、ネットワーク帯域について最小、最高、デフォルトの数値を設定し、これによってリソース利用をコントロールできる。なお、ストレージに関しては各サーバに内蔵のディスクドライブから仮想的に統合的なストレージ環境を構成することもできるという。
国内ではエクシードが、AppLogicを用いたクラウド・コンピューティング・サービス「myDC」を8月1日に提供開始する。エクシードではこのサービスが、特にアニメやゲームなどの携帯コンテンツを提供する企業に適しているという。携帯コンテンツ・サービスでは、システム構成としてほとんど同じものを、コンテンツに応じて次々にリリースしていく必要がある。AppLogicを使ったmyDCサービスでは、必要に応じて即座に新たなコンテンツのためのサーバを作り出し、運用開始できるというメリットが提供できるとしている。
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