20数年間のノウハウを凝縮した工事進行基準対応PM支援ソリューション日揮情報システムが「J+Project 会計」を発売

» 2008年07月17日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日揮情報システムは7月17日、工事進行基準に対応したプロジェクト事業支援ソリューション「J+Project 会計」を発売すると発表した。正式版の出荷開始は2009年1月初旬を予定しており、価格は単体モジュールで200万円から、一般的な構成で1500万円からが目安となっている。

 「J+Project 会計」は、PMBOKで重要項目とされている「QCD(品質、コスト、進ちょく)管理」をサポートしたプロジェクト支援ソリューション。WBS(Work Breakdown Structure)ベースのプロジェクト管理やプロジェクト会計と財務会計を、シームレスに連携させることができるという。

中島氏写真 日揮情報システム 代表取締役社長 中島昭能氏

 日揮情報システムが提供する会計パッケージ「J+統合会計」に続く、J+シリーズの第2弾。NTTデータイントラマートのフレームワーク「intra-mart」を利用して開発し、販売面ではNTTデータシステムズがサポートする。

 工事進行基準とは、日本の会計基準を世界標準に近づける取り組みの一環として導入されるもので、2009年4月から適用が始まる。従来、多くのSIerや受託開発企業は「工事完成基準」と呼ばれる考えで、開発完了後に一括して売り上げを計上してきた。

 一方の「工事進行基準」では、決算期末に開発の進ちょくを見積もって、その進み具合によって売り上げを計上するという考えだ。条件によっては、2009年4月以降も工事完成基準を採用することも可能だが、完成基準を採用した場合には、自ら「管理体制のレベルが低い」と宣言するのと同じこととなり、会社の信頼を失いかねない。

 日揮情報システムの親会社は、大規模プラント建設を海外でも展開している日揮。このように、親会社が海外で事業展開していることから、20数年前から工事進行基準を導入してきたという。そのノウハウをSI業界に転用し、これまで培ってきたという。

システム概要 「J+Project 会計」のシステム概要図。会計システムとの連携も可能だ

 J+Project 会計は、プロジェクトを案件として登録して管理ができる「案件・プロジェクト管理」機能、WBS単位で予算を作成・改版できる「実行予算管理」機能、WBSやWP単位で作業工数を入力することができる「作業工数入力」機能、作業工数と標準MH単価から労務費配分の仕訳を作成できる「原価実績管理」機能、SI業務に適用される一通りの売上基準に対応した「売上計算」機能、実行予算や売上計算のデータを利用して部門の管理ができる「部門採算管理」機能の計6つのモジュールで構成されている。

 日揮情報システム 営業本部 産業ソリューション営業部 部長 湯浅太一氏は、「これらのモジュールを組み合わせることで、見積もりから売上仕訳までを一貫して提供できる。もちろん、工事進行基準に準拠した方法でだ。これにより、売上計算も自動化できるし、WBS単位で実行予算管理もできる面は大きい。また、さまざまなERPなどの会計ソフトと連携することができる点も特徴だ」と説明した。

 日揮情報システム 代表取締役社長 中島昭能氏は、「対象企業は売上高30億〜100億円程度のSIerや受託開発企業。超大企業はすでに進行基準に対応していると思われるので、主に30億〜300億円程度がメインレンジになるはずだ。このあたりの中堅企業は7割程度がまだ進行基準に対して様子見しているといわれているので、まだまだチャンスはある。1年間で15社への販売を目指したい」とコメントした。

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