執筆者重視で“知識片”を集積
グーグル版Wikipedia? 「Knol」とWikipediaの違い
2008/07/24
グーグルは7月23日、2007年末から招待制でベータテストを行っていた新サービス「Knol」(ノウル)を一般向けに公開した。登録ユーザーが自分の持つ専門知識などをHTMLベースのドキュメントとして投稿するコミュニティ型の知識データベースを目指す。
“know”“knowledge”を連想させるKnolというのはサービス名であると同時に、このサービスで扱う個々のドキュメントも指す。Knolは“knoll”(小さい丘)と同じ発音。蓄積されたknolはサービス内での検索も可能だが、通常のWebページでもあるため一般的な検索エンジンからの検索もできる。
Knolのトップページ。Wikipedia同様にお勧めコンテンツが表示されている
Knolのログインページに表示されるサービスの概念図各knolに対してグーグルが提供するコンテンツマッチ広告「AdSense」を付けることができ、knolの執筆者はグーグルと収入をシェアできる。Knolの一般公開に当たって開発チームメンバーはブログの中で、「Web上には膨大な情報があるが、価値ある情報すべてがあるわけではない。多くの情報は人々の頭の中にある(中略)、Knolはこうした人々に自分が持つ知識をオンライン上に提供するよう促し、それに誰もがアクセスできるようにすること」と狙いを語っている。
Wikipediaに似ているが、KnolがWikipediaと大きく違うのは、各knolに明示的に表示される「執筆者」(author)が存在していて、編集権をコントロール可能にしている点だ。knolに対してほかのユーザーはレイティングやレビュー、コメントを投稿できるほか、修正・加筆など編集提案を行える。ただし、実際にコンテンツを編集できるのは、基本的に執筆者だけに限定される。執筆者は1人でも、2人以上でも構わず、最初に当該knolを作成した「所有者」(owner)が執筆者を割り当てる。
ユーザー登録をすれば、誰でも新規knolを書ける。knolはWebブラウザを使ってHTML、もしくはワープロライクなUIで作成できるほか、PDFやテキストファイル、Word文書(doc)、Excel文書(xls)からのインポートも行える。現在、英語以外の言語について公式なサポートのアナウンスはないが、日本語テキストの編集や投稿は可能だ。
knolで扱うトピックは完全に自由で、すでに存在するトピックと重複していても構わない。現時点で登録されているknolは「不眠症」「糖尿病」など医療関係のものが多いが、写真入りでバックパックのノウハウを伝授するという読み物のようなknolもある。電話かクレジットカードを使った本人確認サービスも提供しており、本人確認ができたknolについては執筆者の写真の下に「Verified」(確認済み)と表示される。
複数ユーザーが共同で1つのknolを作成していくために、4つのコラボレーションモデルが選べる。「オープン・コラボレーション・モデル」はログインユーザーの誰もが編集可能となるモデル。特に設定をしなければデフォルトで選択されているのが「モデレーテッド・コラボレーション・モデル」だ。このモデルでは執筆者だけが編集可能で、それ以外のログインユーザーは変更提案だけができる。変更提案を受けた執筆者が許可しない限り、変更は反映されない。「クローズド・コラボレーション・モデル」は、そのknolの所有者と執筆者だけが編集可能なモデル。また、knolのライセンスとしてクリエイティブ・コモンズも選択できる。
肺ガンを扱ったknolの例。執筆者の写真や名前が表示される。本人確認が取れている場合には名前の下に「Verified」(確認済み)と表示
knolはHTMLドキュメントで写真や表も扱える。表はExcel形式のデータをインポートできる
各knolに対して、ほかのユーザーはレイティング、コメントやレビューを投稿できる。画面はコメント欄
knolのオプション設定画面。コラボレーションモデルやライセンス形態、広告の有無を選択できる関連リンク
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