iPhone 3GとユーフォリアWeekly Top 10

» 2008年08月04日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 先週の@ITNewsInsightのアクセストップはTypePad用のiPhoneアプリケーションが日本語環境に対応したことを伝える記事だった。記者は2週間にわたってiPhone 3G購入を巡る、個人的な(せこい)思いを書いてきたが、結局は購入してしまった。関連記事:iPhone 3Gと家計iPhone 3GとiPod touchのあいだ

NewsInsight Weekly Top 10
(2008年7月28日〜8月3日)
1位 TypePadのiPhoneアプリが日本語環境に対応
2位 エンジニアの4割「自宅に仕事を持ち帰っている」
3位 アッカがイー・アクセスの子会社に
4位 「LAMP→WISP→WISAと置き換えたい」、マイクロソフト
5位 オンライン付箋紙共有「lino」がバージョンアップ
6位 IT導入事例の情報サイト「事例バンク」がスタート
7位 注目のRIA環境JSライブラリ「Ext JS」が国内販売開始
8位 “グリーン”巡ってアプリベンダの動きが活発に
9位 未上場Web2.0企業に十分な投資、JVRの調査で明らかに
10位 IBMが都内にクラウド検証施設、Hadoopのデモも実施

 iPhone 3G購入は結果的には大満足だった。もちろん、購入を決断してからは綿密な家族説得作戦を実行した。日頃の家事や育児への貢献度をアピールするとともに、家族がほしがっているものを逆に聞き出し、「買えばいいんじゃないかな」と太っ腹なところを見せた。

 さらに、固定費を抑えることを訴えるために「iPhone勝手に料金表」をGoogle ドキュメントで作成し、iPhone 3Gを一括で購入して月々の支払いを抑えながら、2年間の縛りをなくす方法を分かりやすくプレゼンテーションした。量販店で一括購入すれば、割引のポイントが貯まることもアピールした。現在契約している携帯電話とは別に新規でiPhone3Gを購入することをもくろんでいたため、現在契約している携帯電話の料金プランを最安に変更し、パケット定額などのオプションを解約することも説明した。結果的にこれらの施策をすべて実行した。

 iPhone 3Gの良さはすでにいろいろと語られているので、記者が付け足すことはあまりない。購入して1週間ほどだが、すでに生活に浸透している。自宅ではPCを広げる時間がめっきり減った。電子メールやブログなどの定期的なチェック作業がほとんどiPhone 3Gで済んでしまうからだ。iPhone 3Gについては新しい携帯電話や、携帯電話付き音楽プレーヤーなどいろいろな形容詞を当てはめることができるが、記者の印象は新しいPCだ。記者と同様にWebにどっぷりと浸かっている人々にはこの形容詞が一番しっくりとくるのではないかと思うがいかがだろうか。

 iPhone 3Gはアップルがコントロールしているとはいえ、インターネットに出ることができるので、閉塞感はない。App Storeのアプリケーションは牧歌的というか、まだまだ小粒な印象だが、すでにいくつものアプリケーションを愛用している。「Big Canvas Photo Share」や「ZeptoPad」など日本の開発者が活躍しているのもうれしい。

 仕事では取材の合間にさくっとWebで情報を調べられるようになった。取材前にしっかりと勉強をして、準備するのが本来の姿勢だとは分かっているが、そうは行かないときもあり、ぶっつけ本番の取材も時にはある。そういうときのあんちょことしてiPhone 3Gは役立っている。ノートPCを持ち歩けば同じことだが、すでにカバンが重すぎて膝が時々痛くなる記者には、iPhone 3Gがちょうどいい。iPhone 3Gは会社の電子メールも読み書きできるため、緊急時の助けにもなるだろう。

 少しうれしがりすぎで、我ながら恥ずかしくなってきた。世間はすでに記者のようなユーフォリア(多幸感)の時期を過ぎて、よりシビアにiPhone 3Gとその後のビジネス展開を分析しているようだ。すぐに落ちるSafari、パフォーマンスの問題が指摘される日本語変換、弱い電波感度などを、アップルが次のファームウェアのアップデートでどこまで修正してくるかがポイントだろう。そしてソフトバンクモバイルが収益を上げられるかも。

 アップルがユーザーの期待に応えられないようだと、垂直統合や囲い込みへの批判がユーザーの間で起きる可能性もある。IT分野で技術革新の衝撃を長続きさせるのは難しいといわれる。模倣が容易で、技術の陳腐化が早いからだ。ソフトウェアの更新で日々進化することが期待されるiPhoneだけに、アップルにとっては実はこれからが正念場なのかもしれない。

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