オラクル、旧ハイペリオンを統合した「Oracle EPM」発表将来を予測し早めにアクション

» 2008年08月26日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本オラクルは8月26日、買収した旧ハイペリオン製品を主とする企業パフォーマンス管理の製品群「Oracle Enterprise Performance Management System,Fusion Edition」(Oracle EPM)を正式発表した。

 同社の代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は、ERPによって業務の効率化は進んだが、「予期せぬ事が世界で突発的に起きる中、企業はいかに未来を予測して迅速な経営判断ができるかが課題になっている」と指摘。「Oracle EPMによって将来を予測して、早め早めにアクションを取れるようになる」と強調した。

日本オラクルの代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏

 オラクルはERPによる業務効率化や業務プロセスの標準化を「オペレーショナル・エクセレンス」として、企業は今後、このオペレーショナル・エクセレンスを超える「マネジメント・エクセレンス」が必要になると主張している。マネジメント・エクセレンスとはERPなどから挙がる情報に市場環境の分析、シミュレーションを加えた、将来の予測能力を持つ経営管理を指す。

 日本オラクルの常務執行役員 製品戦略統括本部長 三澤智光氏は「経営管理を、経験・勘・度胸とスプレッドシートでいまでもやっている企業がほとんどだが、ビジネスや制度が複雑化し、Excelでできる範ちゅうを大きく超えている」と話し、統合的な情報システムの必要性を訴えた。

 旧ハイペリオン製品は国内で2000社が採用しているという。日本オラクルの製品戦略統括本部 データベース/EM/EPM/BI ビジネス推進本部 シニアマネジャー 箕輪久美子氏によると、利用されているのは連結会計を実現する「Oracle Hyperion Financial Management」「Hyperion Enterprise」や、予算管理の「Oracle Hyperion Planning」だ。今回の発表では、これまで日本で提供していなかった8製品を日本語化して提供開始する。

日本オラクルの製品戦略統括本部 データベース/EM/EPM/BI ビジネス推進本部 シニアマネジャー 箕輪久美子氏

 新たに投入する製品は業績管理アプリケーションが多く、箕輪氏は特に「Oracle Hyperion Strategic Finance Fusion Editon」(Oracle HSF)と「Oracle Hyperion Financial Data Quality Management Fusion Editon」(Oracle FDM)を強くアピールした。Oracle HSFは企業の中期経営計画の策定を支援するアプリケーションで、シミュレーション機能が特長。ある企業を買収する場合や、原材料が値上がりする場合などのビジネスシナリオを設定し、将来を予測することができる。

 Oracle FDMは経理部門向けのデータ連携アプリケーション。企業グループの連結決算を支援する。ETL機能があり、子会社などの財務データの正確性を高め、決算の早期化を助けるという。

 オラクルはすでにハイペリオン製品を導入している2000社をまずはターゲットに、全社規模、グループ規模での新製品の導入を提案する。さらに700社あるオラクルのERPユーザーに対しても提案。SAPユーザーに対してもリーチしたい考えだ。提案活動はコンサルティングファームと行う計画で、IBMビジネスコンサルティング サービスやアクセンチュア、アビーム コンサルティング、日立コンサルティング、ベリングポイントなどの名前が挙がっている。

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