清酒メーカー月桂冠がSAP ERPとBIをビッグバン導入手組み基幹システムを刷新

» 2008年08月27日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAPジャパンとテクノスジャパンは8月27日、清酒メーカーの月桂冠が基幹業務ソフトウェア「SAP ERP 6.0」と、ビジネス・インテリジェンスソフトウェア「SAP NetWeaver Business Intelligence」の採用を決定したと発表した。月桂冠は両ソフトウェアをビッグバン導入し、財務会計、管理会計、生産管理、在庫/購買管理、品質管理、データウェアハウスを実現するという。SAPジャパンによると清酒メーカーへのSAP ERPの導入は初めて。

 両ソフトウェアを使った新システムは2008年9月に構築を始め、2010年4月の稼働開始を予定している。

 SAPとテクノスジャパンによると、月桂冠は約20年にわたり、ホストを使った手組みの基幹業務システムで業務を行ってきた。しかし、長年の利用でシステムの複雑化や老朽化、入力業務の重複などの課題が浮上。特に在庫や原価の管理は月末のバッチ処理で行っており、データ活用に問題があった。

 基幹業務システムの見直しを始めたのは2007年初め。情報の可視化、業務の効率化、システム化されていない業務プロセスのIT化を目指し、ERP導入によって業務の全体最適を図ることを目標とした。パッケージの選定では、すべての機能を統合データベースで実現し、システムの機能に合わせて業務改革を推進できる点を特に重視したという。その結果、この条件を満たし、コスト面でも適当としてSAP ERP 6.0とSAP NetWeaver Business Intelligenceが選ばれた。

 システム構築に際し、月桂冠は約30人のプロジェクトチームを編成する。同時に、テクノスジャパンと共同で業務プロセスの改革も実施する。新システム稼働後は、決算や収益、原価、品質、物流などのデータをリアルタイムに把握できるようになるという。SAP NetWeaver Business Intelligenceを使ったデータ分析で、在庫削減や原価調整などの実現も期待できるとしている。

 テクノスジャパンはSAP ERPについて約80社、85プロジェクトの導入実績があるシステムインテグレータ。特にプロセス産業での実績が豊富という。今回のプロジェクトではシステム構築と業務改善を担当する。投入する要員は15人。カットオーバー後の保守はSAPジャパンが行う。

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