受信側でも送信ドメイン認証普及を

IIJ、SPF/Sender ID実装用プログラムをオープンソースで公開

2008/08/29

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、既存のメールシステムに、スパムメール対策の1つである送信ドメイン認証技術「SPF/Sender ID」を実装するためのプログラム「ENMA」を開発し、8月27日にオープンソースソフトウェアとして無償で公開した。

 スパムメールの多くは、発信元を偽って送られてくることが多い。送信ドメイン認証技術は、メールが確かにそのドメインから送信されたものかどうかを確認することで、スパム防止を支援する技術だ。IPアドレスを用いて確認を行う「SPF/Sender ID」と電子署名を用いる「DKIM」の2つの方式がある。

 今回IIJが実装したのはSPF/Sender IDで、「SPF/Sender ID認証用ライブラリ」と、このライブラリを利用した「Sendmail/Postfix用のメールフィルタプログラム」の2種類を独自に開発、設計した。BSDライセンスで公開されており、Linux、BSDやSolarisなどで動作する。

 IIJでは、送信側ではSPF/Sender IDの普及が進んでいるのに対し、受信側ではメールフィルタプログラムが必要になるなど、導入が容易でないことから、普及が妨げられていると指摘。オープンソースとしてメールフィルタプログラムを提供することにより、こうした課題を解決したいとしている。またENMA公開に合わせて、インターネット協会(IAjapan)と協力し、サポートや付随するドキュメントも提供していく。

 IIJは今後、DKIM対応のメールフィルタプログラムも公開する予定という。また、企業やISPの要求仕様にあった機能の強化も図り、送信ドメイン認証のさらなる普及を推進したいとしている。

(@IT 高橋睦美)

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