「価格.com」に負けない価格設定を、SASが小売り支援ソフト流通・小売りの価格最適化を図る

» 2008年09月18日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 SAS Institute Japanは9月18日、流通・小売業向けに商品販売価格の最適化を支援するソリューション「SAS Revenue Optimization Suite」を提供開始すると発表した。売上実績データ、在庫データなどから最適価格を導き出し、担当者の業務を支援する。

 オープンプライスでの販売が一般的になり、商品価格の決定は流通・小売りの担当者が主体的に行うことが多くなっている。だが、メーカーや卸からのプレッシャー、インターネットの価格比較サイトの台頭などで価格付けが難しくなっているのも事実。SASの執行役員 ビジネス開発本部長 兼 プロフェッショナルサービス本部長 宮田靖氏は、「価格.comなどで価格の比較が簡単にできる。消費者の力が増してきているのが大きな変化だ。しかし、流通・小売りの担当者は勘と経験による価格設定をしているのが現状」と指摘した。

SASの執行役員 ビジネス開発本部長 兼 プロフェッショナルサービス本部長 宮田靖氏

 SAS Revenue Optimization Suiteは「いま売り場で起きていることを正しく捉え、適時マーケットニーズにあった価格施策を実行できる」(SAS)のが特長だ。POSデータや在庫データなどを週次で集計し、分析用データに統合。次いで店舗別、商品別に最新の販売動向を分析、その結果から需要動向を予測して、店舗別、商品別の最適販売価格を提示する。

 SAS Revenue Optimization Suiteは、「Regular Price Optimization」「Promotion Optimization」「Markdown Optimization」の3つのモジュールで構成する。Regular Price Optimizationは、仕入原価や需要動向、競合価格情報を分析し、売り上げや利益を最大化する価格設定を行う。Promotion Optimizationは過去のプロモーション実績を分析し、ユーザーの戦略に沿った最適なプロモーションプランを策定し、シミュレーションする。また、Markdown Optimizationは在庫レベルや売上実績、需要動向などを分析し、いつ、どの店舗で、どの商品を値下げして在庫を一掃するのかをプランニングする。

「Regular Price Optimization」
「Promotion Optimization」
「Markdown Optimization」

 ライセンス価格は導入企業の売り上げ規模によって異なる。売上高が1000億円の企業の場合、1モジュールが3000万円から。3モジュール導入すると1億円弱の価格となる。アパレルや家電量販店、雑貨販売店などチェーン展開する流通・小売りがターゲット。SASは初年度に2社、来年度に5社の獲得を目指す。

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