中堅・中小市場でSAP躍進、大企業のお付き合い導入?ノーク リサーチが2008年の利用シェア発表

» 2008年09月19日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 2008年国内中堅・中小企業のERP利用シェアでSAP ERPが3位に入ったことが、民間調査会社ノーク リサーチが9月16日に発表した調査結果で分かった。2007年までは国産4社が上位を独占していたが、そこにSAPが割り込んだ形だ。

 年商5〜500億円の中堅・中小企業を対象にした調査結果で、トップはオービックビジネスコンサルタントの「奉行新ERP」(奉行vERP含む)でシェア11.8%だった。2位はOSKの「SMILEシリーズ」で10.4%、3位にはSAP ERP(R/3、myERP含む)がシェア9.6%で入った。以下、オービックの「OBIC7」、富士通の「GLOVIA」、日本オラクルの「Oracle E-Business Suite」が続く。

2008年、中堅・中小企業のERP利用シェア(ノーク リサーチの調査結果から)

 ノーク リサーチはSAPの躍進について「(導入企業は)大手企業との取り引きに際してSAP ERPが必要になったケースが多いと見られる」と説明してる。

 SAP ERPは今後利用予定のERPとしても人気。年商50億円以上の企業では今後利用する予定のERPでトップ(20.1%)だった。2位はGLOVIA、3位はOBIC7。ただ、利用ユーザーにおけるSAP ERPの評価はいまひとつだ。SAP ERPの評価ポイントは64.4。奉行新ERPは75、OBIC7は69.3で、SAP ERPはほかの製品に対して見劣りする結果となった。

 ノーク リサーチはSAP ERPの評価について「現在導入されているものが大企業向け製品ラインアップであるため、中堅・中小企業向けの最適化がなされていないことが主な要因と考えられる」と指摘している。

 ノーク リサーチは9月17日、中堅・中小企業を対象にした2008年の財務管理アプリケーションの利用シェアも発表した。トップは2007年と同じオービックビジネスコンサルタントの勘定奉行。シェアは29.5%と2位以下を大きく引き離している。2位以下は混戦で、ピー・シー・エーの「PCA会計」が11.9%で2位、弥生の「弥生会計」が11.3%で3位などとなっている。

2008年、中堅・中小企業の財務管理アプリケーション利用シェア(ノーク リサーチの調査結果から)

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