ドコモ、ハイエンド端末「BlackBerry Bold」を国内投入来年は10機種近くのスマートフォンを用意

» 2008年09月29日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 NTTドコモとカナダのResearch In Motion(RIM)は9月29日、RIM製のスマートフォン「BlackBerry Bold」を日本市場に投入することで合意したと発表した。発売は2008年度第4四半期で、法人、個人に販売する。

 NTTドコモは2006年9月からRIMの「BlackBerry 8707h」を国内で販売してきた。法人顧客を中心に1200社以上が国内で導入したという。8月からは個人向けの販売も始めた。

 同日会見したNTTドコモの代表取締役社長 山田隆持氏はこれまでの販売実績を説明した上で、新発売するBoldについて「BlackBerryの従来の強みであるセキュリティ機能や管理機能に加えて、フルキーボード、トラックボールによる快適な入力インターフェイス、さらに音楽や動画などのエンターテインメントも強化し、個人にも自信を持ってお勧めできる1台だ」と話した。「PCの利便性を手のひらに凝縮した」がBoldのキャッチコピーだ。

「BlackBerry Bold」

 BoldはFOMAハイスピード(HSDPA)に対応し、受信最大3.6Gbpsの高速通信が利用可能。3GとGSMが使える「WORLD WING」にも対応する。また、IEEE802.11a/b/gの無線LANが利用ができる。GPS機能もある。液晶画面は約2.7インチで、480×320ドットのハーフVGA表示。静止画、動画に対応する200万画素のカメラを搭載する(カメラなしモデルも用意)。ストレージ用に1GBのメモリを搭載。microSDカードスロットも備える。ビデオや音楽の再生、PCのiTunesライブラリと同期させることもできる。

 キーボードはQWERTY配列で、トラックボールを備える。ローマ字変換による日本語入力に対応し、予測変換機能もある。個人向けの「ブラックベリーインターネットサービス」、または法人向けの「ブラックベリーエンタープライズサービス」に加入することで、電子メールやWebブラウジングが可能になる。電子メールは専用メールアドレスのほかに10個までのPOP3/IMAP4メールが利用可能。

メニュー画面
日本語入力画面。予測変換機能がある

 NTTドコモのiモードメールには対応しないが、山田氏は、「来年のできるだけ早い時期にiモードメールを取りに行けるようにしたい。さらにその後、数カ月後には自動配信を受けられるようにしたい」と話した。また、NTTドコモはBlackBerry向けに新たなパケット定額プランを予定していることも明らかにした。同社は「(最大5985円の)Biz・ホーダイ ダブルを考慮しながら検討していきたい。方向としてはこれまでよりも安くなる」としている。

 NTTドコモがソフトバンクモバイルの「iPhone 3G」を意識しているのは明らかだ。山田氏はBoldについて「iPhoneと一部かぶると思う。しかし、BlackBerryは法人に一番お勧めしたい商品。全部がiPhoneとかぶるわけではない」と指摘。そのうえで「iPhoneと比べるとBoldはQWERTYキーボードが付いていて入力が便利。法人向けにはセキュリティがしっかりしている。それが利点だ」と話した。

 一方で、NTTドコモは同社版「App Store」とも言えるアプリケーション販売のポータルサイトを開設することも予定している。ドコモは「2009年には10機種近くのスマートフォンを出していきたい」(山田氏)としていて、スマートフォンを今後の戦略的な商品と位置付けている。

 Boldの端末価格は未定。山田氏は「買っていただきやすい価格を実現したい」と話した。

NTTドコモの代表取締役社長 山田隆持氏(左)とRIMのCOO ドン・モリソン氏

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