日本HP、ハイエンド向けノートPCで新ブランド立ち上げ：耐久性や高級感、高付加価値で差別化

[西村賢，＠IT]

　日本ヒューレット・パッカード（HP）は10月2日、法人向けノートPCの新ブランド「HP EliteBook」シリーズを発表。タブレット型や17インチ液晶搭載のモデルなど5機種の販売を開始した。約800kgの面荷重にも耐える耐久性の高さを備えつつ、高級感のあるメタリックなデザインを採用。セキュリティ機能の強化などハイエンド指向のユーザーをターゲットとする。

　これまで同社は法人向けノートPC製品として「HP Compaq」ブランドでをラインアップしてきた。このうち上位のp（プロフェッショナル）、w（ワークステーション）クラスの製品に独自機能を加え、新ブランド「HP EliteBook」とした。おもに大企業向け製品群として提供する。

　法人と個人という2つのセグメントでブランドを展開してきた同社だが、今回から新たにサブセグメント戦略を開始する。「同じ企業向けでもお客様の使い方や使う環境は異なる。大企業とSMBでは求められる機能や性能も違う」（日本HP 取締役副社長 執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏）ことから、それぞれの要求を満たす製品を幅広く提供。ブランディングを分けることで、市場カバレッジを上げ、拡販につなげるという。

　これは同社がグローバルで展開している戦略で、国によっては個人向けでもサブセグメント戦略を適用している。今後は日本HPでも個人向けPCでHP EliteBook同様にハイエンド志向のブランドを立ち上げる予定もあるという。

新機能や使い勝手で従来シリーズと差別化

　新シリーズは「強固なセキュリティ」「耐久性の高いハードウェア」「管理のしやすさ」など新たな機能や使い勝手を提供。具体的には、Windows上でファイルやフォルダを消去して復元できなくする「ファイルサニタイザ for HP ProtectTools」や、Windowsを起動することなくMicrosoft Outlookのメールや予定の確認が行える「HP QuickLook 2」を搭載する。QuickLookは電源オフの状態から10秒程度で起動する。

　「HP DuraCase」と名付けた耐久性や剛性の高いボディも特徴だ。筐体をフルマグネシウムとしたほか、ディスプレイカバーはハニカム構造のアルミニウムとマグネシウム合金の2層構造とし、「従来機比180％の強さを実現した」（日本HP パーソナルシステムズ事業統括 モバイル＆コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャの山上正彦氏）という。DuraCaseはタブレットモデル以外のモデルすべてで採用している。

　また、モバイルモデルとタブレットモデル以外の3モデルではネジ1本でドライブ交換が可能な「アップグレードベイ」を搭載。標準でスーパーマルチドライブを搭載するが、オプションで2台目のハードディスクを搭載することもできる。2台のハードディスクはRAID 0/1にも対応する。

タブレット型など5機種をラインアップ

　HP EliteBookのラインアップは、12.1型ワイド液晶搭載のモバイルノートPC「HP EliteBook 2530p Notebook PC」、タブレット型としても使える「HP EliteBook 2730p Notebook PC」、14.1型ワイド液晶搭載のメインストリームハイエンドモデル「HP EliteBook 6930p Notebook PC」、15.4型ワイド液晶搭載のモバイルワークステーション「HP EliteBook 8530w Mobile Workstation」、17型ワイド液晶ディスプレイやテンキーを備えたモバイルワークステーション「HP EliteBook 8730w Mobile Workstation」の5機種。