12月にはYaSTを強化した新バージョン

openSUSE、近日中にAmazon EC2で動作へ

2008/10/03

 ヨーロッパ生まれのLinuxディストリビューション「openSUSE」のコミュニティ・マネージャ、ジョー・ブロックマイヤー氏が10月2日に来日し、12月に予定されている新バージョン「openSUSE 11.1」の概要について説明した。また、それに先立つ10月中には、米アマゾンが提供しているクラウド環境「Amazon EC2」上でopenSUSEを動作できるようにする計画という。

opensuse01.jpg openSUSEのコミュニティ・マネージャ、ジョー・ブロックマイヤー氏

 openSUSEは、ノベルが支援する「openSUSEプロジェクト」によって、オープンソースとして開発が進められているLinuxディストリビューションだ。GUIベースのインストール/設定ツール「YaST」といった特徴的な機能を備えている。ノベルはこのopenSUSEをベースに、「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)を提供している。

 ブロックマイヤー氏はopenSUSEの目標は、Linuxをより使いやすくすることであると述べた。その具体策としてバージョン11.0では、インストールの簡素化やユーザビリティの向上などを実現したという。

 12月にリリース予定のopenSUSE 11.1では、YaSTのモジュールを拡張する。プリンタのインストール/設定などが簡単に行える「プリンタモジュール」、ハードディスクの管理とパーティショニングのための「パーティショナー」、システム設定を検査し、セキュリティレベルを把握できるようにする「セキュリティモジュール」などが追加される計画という。また、GNOMEやKDE、OpenOffice.orgといったアプリケーションについて最新版を盛り込むほか、SELinuxをサポートする。

 ブロックマイヤー氏は、「われわれの目的はあくまでLinux自体の普及であり、ほかのディストリビューションとの比較はあまりしていない」としながらも、YaST、そしてパッケージ管理ツールの高速さなどは、ほかにない特徴だと述べた。

 さらに、7月に発表した開発プラットフォーム「openSUSE Build Service 1.0」により、透明性が高くて参加しやすく、堅牢なプラットフォームを開発者に提供できるとも述べている。openSUSE Build Serviceでは、openSUSEだけでなく、DebianやUbuntu、Fedora、Red Hatといった複数のLinuxディストリビューション向けにパッケージを作成し、管理することができる。

 また、クラウドコンピューティング分野では、近日中にAmazon EC2上でopenSUSEが動作する見込みだとした。すでにopenSUSEでの準備は完了しており、あとはアマゾン側次第でリリース可能という。これと並行して、SLES 11.0では、プロビジョニングや仮想化といったクラウドコンピューティング環境のインフラに必要な機能を強化する計画だ。

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(@IT 高橋睦美)

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