横浜銀行がOracle EBS導入決定、経営管理に活用へ2009年中の稼働開始を目指す

» 2008年10月08日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 横浜銀行は10月8日までに日本オラクルのERPパッケージ「Oracle E-Business Suite」(Oracle EBS)の導入を決めた。日立システムアンドサービスが導入パートナーとして協力し、2009年中のカットオーバーを目指す。経営管理能力の向上を狙う。

日本オラクルのセールスコンサルティング統括本部 インダストリーソリューションアーキテクト本部 金融ソリューションアーキテクトグループ プリンシパルセールスコンサルタントの高畑充弘氏

 日本オラクルのセールスコンサルティング統括本部 プリンシパルセールスコンサルタントの高畑充弘氏が10月8日に行った講演で明かした。高畑氏によると、横浜銀行の狙いは決算の早期化や迅速な経営判断を下すための仕組み作り、法制度の変更に対応できる柔軟なシステム環境の構築などで、「経営管理システムとしてERPを導入する」ことに重きを置いたという。

 横浜銀行が導入を決めたのはEBSの複数のモジュール。経費システムや予算管理、財務会計、連結決算、購買管理、動不動産管理、施設管理などのモジュールで財務会計から管理会計まで幅広い業務をカバーする。特に重視したのは経費や支払いが発生した場所でERPに入力させる「発生源入力」の徹底。稟議(りんぎ)や経費、支払い、購買などのWeb入力システムをフロントに用意して、行員に使わせるようにする計画だ。Web入力のほかにExcelシートから入力できる機能も用意するなど、ユーザーの使い勝手に配慮する。高畑氏は「“One Fact In One Place”の考えによって経営管理システムとして導入していただく」と話した。

横浜銀行が導入を決めたシステムの全体像

 Oracle EBSが横浜銀行に評価された理由は、システムが疎結合だからと高畑氏は話す。どのような金融機関でも何らかの業務アプリケーションはすでに導入されていて、新規導入アプリケーションは既存アプリケーションとの整合性をどう取るかが難しい。各モジュールをオープンなインターフェイスで接続するOracle EBSを使えば、そのような既存アプリケーションとも柔軟に接続できると横浜銀行は期待しているという。

 また、柔軟な勘定科目設定も評価されたという。高畑氏は「会計パッケージのフレキシビリティはどれだけの管理項目を持ち、どれだけの桁数まで対応できるかで示される」と話す。Oracle EBSは管理項目を最大30項目、各項目に付き最大25桁まで対応し、企業独自のニーズに対応しやすいという。

 オラクルは金融機関へのオラクル製品の導入に力を入れていて、三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行などもオラクルの業務アプリケーションを採用している。

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