IBM、日本で1000以上のSOAプロジェクトを手掛ける新たな支援策を発表

» 2008年10月10日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本IBMは10月10日に会見し、IBMがグローバルで展開しているSOA関連ソリューションの強化策を発表した。IBMが世界でこれまでに行ってきたSOAプロジェクトは7000以上。国内では1000以上といい、新しい施策でさらにその優位性を強化するという。

 調査会社のWinterGreen ResearchによるとSOA市場におけるIBMのシェアは他社を大きく引き離す64%。2位は米オラクル(旧BEA含む)で7%に過ぎない。IBMは日本でもシェアトップで、87%の市場を抑えているという(WinterGreen Research調査)。米IBMのソフトウェアグループ バイスプレジデントのジョン・ソーリング(John Soyring)氏は「製品の強さだけでなく世界で7420社いるビジネスパートナーからなるエコシステムが強さの源」とIBMの優位性を挙げた。また、これらのパートナーが開発するソリューションなどの「SOAアセット」も顧客の支持を得ていると説明した。

米IBMのソフトウェアグループ アプリケーション・アンド・インテグレーション・ミドルウェア・ソフトウェアソリューションズ・アンド・ソフトウェア担当バイス・プレジデントのジョン・ソーリング氏

 日本IBMの理事 ソフトウェア事業 インダストリー・ソフトウェア事業部の中川一朗氏は顧客企業のSOAについての認識を「どのようにSOAを始めて、拡大するかに移っている」と指摘する。SOAとは何かという初期の段階はすでに脱し、実践を見据えた議論に入りつつある企業が多いという。企業の「How to SOA」のニーズに応えるために、IBMは業界別にトレンドやSOA戦略、ビジネスモデルなどをまとめた調査結果「SmartBusiness INsight」をまとめた。米IBMのWebサイトからダウンロードできるようにするという。

 IBMは企業がSOAをうまく生かすには俊敏性が重要だとして、企業の俊敏性を測る指標として「KAI」(Key Agility Indicators)を提唱している。サプライチェーン・マネジメント、財務管理、人材管理、ITに対応した300種類以上の指標が用意されている。IBMは新たに「IBM WebSphere Business Modeler」にこのKAIのライブラリを追加すると発表した。業務の俊敏性をモニタリングすると共に俊敏なプロセスの開発にも役立てられるという。

 また、SOAに基づいたビジネスプロセス設計、システム設計を支援する業種別のフレームワークとして、すでに提供している製造業向けに加えて、石油化学、公共防衛向けのフレームワークを追加した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ