2009年には完全無停止を実現へ

XenServer新バージョンは高可用性機能を搭載

2008/10/14

 シトリックス・システムズ・ジャパンは10月14日、同社の仮想化ソフトウェアの新バージョン「Citrix XenServer 5.0」を国内で受注開始したと発表した。XenServer 5.0は可用性確保に関する機能を強化、「中規模から大規模のIT環境へサーバ仮想化を進めていく」(同社 マーケティング本部長 山中理惠氏)ための推進力になるという。

 XenServerは稼働中の仮想マシンを(計画的に)別の物理サーバへ無停止で移動する機能「XenMotion」を備えていたが、XenServer 5.0ではこれに加え、仮想マシンやハードウェアの意図しない障害に対応する基本的なHA(高可用性)機能を新たに搭載した。

 この機能は、仮想マシンに対して死活監視を行い、仮想マシンのみが停止したことを検知すると、この仮想マシンを同一の物理サーバ上で自動的に再起動する。障害がサーバ機に起因している場合は、共有ストレージ上の仮想マシンイメージを用い、ほかの物理サーバ上でこの仮想マシンを起動する。シトリックス・ジャパンによると、同一のサーバ機上での再起動はダウンタイムが数秒、別の物理サーバ上での起動の場合はダウンタイム1分程度だという。

 この機能はXenServerのEnterprise EditionおよびPlatinum Editionに組み込まれているため、追加コストを支払うことなく、基本的なHAを実現できる。

xenserver01.jpg XenServer 5.0は、Enterprise EditionとPlatinum EditionでXenMotionとHA機能を提供する

 シトリックスではさらに、より高度なHAの選択肢として、米マラソン・テクノロジーズと提携し、XenServerに対応したマラソンのフォールト・トレランス製品「Marathon everRun VM」をオプションとして再販する。マラソンもeverRun VMと組み合わせてXenServerを販売する。2009年には2社の共同開発で、完全無停止のHA機能を提供の予定という。完全無停止のHA機能は現在のところ、どのx86サーバ仮想化ソフトウェアも提供していない。

 シトリックスはXenServer で、主要ストレージシステムの機能を同社の管理ツール「XenCenter」から直接制御できるようにするための提携を進めてきた。ネットアップのストレージについてはすでにこれが実現しているが、XenServer 5.0でデルのEqualLogic PSシリーズの機能も直接制御できるようになった。

 また、XenServer 5.0では、新たに物理サーバから仮想サーバへの移行支援ツール「XenConvert」も搭載した。

 XenServerのPlatinum Editionが備える強力な仮想マシン展開ツール「Citrix Provisioning Server」は、大規模導入環境への対応で強化された。Provisioning Serverは、単一の仮想マシンイメージを基に、複数の物理サーバに対して仮想マシンを配信できる。新しいProvisioning Server 5.0では、階層的な管理権限の割り当てが可能になった。

 XenServer 5.0では、これまで通り無償のExpress Editionを提供する。Express Editionは単一サーバの仮想化を行うソフトウェア。この上で稼働できる仮想マシンは、これまで4つに限定されていた。しかし新バージョンではこの制限を撤廃。さらに対応する仮想マシン当たりの最大メモリ量を4GBから32Gbytesに拡大するなどの変更を行った。

(@IT 三木泉)

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