キャリア各社から順次発売

新Touchシリーズで秋から日本市場に攻勢、HTC

2008/10/15

 台湾発のスマートフォン端末開発ベンチャー「HTC」が順調に製品ラインアップを増やし、販売実績を積み上げている。iPhone効果でスマートフォン市場の注目が集まる中、同社は世界初のAndroid搭載端末「T-Mobile G1」の出荷を欧米各国で10月末から順次予定しているほか、“TouchFLO 3D”と名付けた独自のユーザーインターフェイスを搭載する端末を、この秋グローバルに出荷開始する。

htc04.jpg TouchFLO 3Dの利用例。写真やアドレス帳などは指で弾くことでパラパラとめくることができる。写真やメールは折り重なった状態からめくれ上がるような3次元アニメーションで表示される。下部のメニュー上を指をスライドして選択することで写真、アドレス帳、Webブラウザ、メールなどを簡単に起動できる。写真はイー・モバイルが10月10日に発売した「S21HT」(Touch Diamond)
htc02.jpg Touch DiamondにQwertyキーボードを加えたモデルという位置付けの「Touch Pro」

 指でタッチパネルを弾くことで画像やドキュメント、メニューをスライドさせる直感的ユーザーインタフェイスとして同社が“TouchFLO”を最初にリリースしたのは2007年。日本ではNTTドコモが「HT1100」で、またイー・モバイルからは「EMONSTER」(S11HT)の製品名で2008年3月末に販売を開始している。

 TouchFLO搭載端末は、ワールドワイドで11カ月間に300万台を販売し、同社のブランド認知向上に貢献している。HTCは1997年設立で、2000年にコンパックへのODM製品としてiPAQをデザイン・設計したのを契機にPDA市場で知られるようになった。2006年以降はHTCブランドとしての端末販売も開始。OEM、ODMの比重は下がり、2007年第4四半期にはODM製品が、同社の売り上げに占める割合は10%を切ったという。

日本の携帯電話市場でシェア5%を目指す

htc01.jpg HTC Nippon 代表取締役社長 デイビッド・コウ氏

 イー・モバイルが10月10日に発売した「Touch Diamond」は、HTCが国内でリリースする11機種目の端末だ。Touch Diamondにスライド式Qwertyキーボードを加えたモデル「Touch Pro」と合わせて、TouchFLO 3Dを搭載するTouchシリーズの2世代目の端末となる。

 Touch Diamond、Touch Proはイー・モバイルに引き続き、NTTドコモとソフトバンクモバイルが発売予定をアナウンスしているほか、Touch Proについてはau(KDDI)も来春の発売予定を公表している。

 10月15日に都内で会見を開いたHTC日本法人(HTC Nippon)のデイビッド・コウ代表取締役社長はTouch Diamond/Proについて「日本市場も世界市場と同時ローンチとした。日本は重要な市場だ」と意気込みを語る。

 日本国内の年間端末販売台数は2007年度実績で5230万台(ガートナー調べ)。2008年は販売台数の落ち込みが予想されているが、同社は2008年中に今秋発売の2端末で国内100万台の販売を見込むなど強気だ。タイムラインは明確にしないもののコウ氏は、「携帯電話市場はどこの国も似た販売傾向を示す。新しいテクノロジに興味を示す層に販売を進めることで、われわれは日本の携帯電話市場の5%程度のシェアを2、3年で取れると見ている」とした。また、Windows MobileというオープンなOSを使い、キーボード、キャリアなどの選択肢を提供することで日本の携帯市場を“ガラパゴス”と呼ばれる独自規格の世界から脱却させたいとも話した。

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(@IT 西村賢)

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