CA、性能監視ソフトウェア「Wily」の新版発表「すべてのフロントはいずれWebアプリになる」

» 2008年10月22日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 日本CAは10月22日、Webアプリケーションの性能を監視する製品群「CA Wily Application Performance Management」(Wily APM)の最新版を発表した。同社 ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏は「すべてのビジネスサービスのフロントはいずれWebアプリケーションになる。その可用性をどう保証するかが課題」と話し、Wilyの重要性を強調した。

 Wily APMはWebアプリケーションの提供システムを監視する「CA Wily Introscope 8」(Introscope)と、エンドユーザーの体感パフォーマンスを監視する「CA Wily Customer Experience Manager 4.2」(CEM)で構成する。CEMは日本市場に初めて投入する製品。脇本氏は「IntroscopeはITを監視する製品、CEMはサービスを監視する」と話した。

日本CA ワイリー・テクノロジー営業本部 本部長の脇本亜紀氏

 IntroscopeはWebアプリケーション、アプリケーションサーバ、ポータルなどのパフォーマンスを常時監視し、問題が発生した際はその障害原因を特定できる。問題の切り分けを迅速に行うことで、復旧までの時間を短縮できるという。Webアプリケーションに重大な問題が発生する前の予兆を検知することもできる。

 新版ではこれまで別々の製品だったJavaアプリケーション版と.NETアプリケーション版を統合し、1製品で両方のアプリケーションに対応できるようにした。また、スケーラビリティを向上させ、単一サーバにおける管理対象アプリケーションの数を従来の2倍にした。複数アプリケーション、プロセスで構成するWebサービスのトランザクションも監視できるようにするなどSOA対応も進めた。

 CEMは利用者であるエンドユーザーの視点でWebアプリケーションを監視し、ボトルネックを特定できるソフトウェア。ビジネスプロセスとトランザクションの2つを監視し、エンドユーザーが影響を受ける前に、問題を解決する。監視で収集した情報はIntroscopeに渡して、より高度な問題診断を行うことも可能。CEMはサーバにインストールしてスイッチなどのネットワーク機器に接続する仕組みで、CAは「ゼロオーバーヘッド」と既存環境に影響を与えないことを強調している。

 Wily APMのターゲットは、オンラインバンキングや受発注システムなど予定外に止めることができないミッションクリティカルなアプリケーション。4年前から国内展開をしているIntroscopeが販売では先行すると見ていて、脇本氏は「メインフレームからのダウンサイジング市場が有望。本番システムを監視することで問題の芽を摘み取れることを訴求したい」と話した。

 価格はIntroscope 8が1CPU当たり、120万円(税別)。CEM 4.2が1CPU当たり75万円。両製品をパッケージしたWily APMは1CPU当たり162万5000円。

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