日本で初めてのHSUPA通信サービスも開始

イー・モバイル、“通話もできる”小型3G端末を発表

2008/11/06

 イー・モバイルは11月6日、上り1.4Mbpsの高速データ通信が可能なHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)規格対応の通信サービスを11月20日に開始すると発表した。通信料金は従来通りで据え置いた。

 日本国内のキャリアでHSUPA対応は初。新たに発売するUSBスティック型の「D21HW」「D21LC」および、PCカード型の「D21NE」で対応する。3種の通信デバイスはどれも2年契約のしばりがある「新にねん」に申し込む場合で1万2980円、しばりなしの「ベーシック」の場合は3万6980円。月額料金は従来通りで定額制の4980円から。USIMカードを差し替えることで、現在同社サービスを利用中のユーザーも新端末を使ってHSUPA通信サービスを利用できる。

emobile01.jpg 新サービスと新端末を発表するイー・モバイル 執行役員副社長 阿部基成氏
emobile02.jpg 上り速度は1.4Mbpsと従来の約3.6倍にし、価格は据え置いた
demo.jpg スピード計測サイトでは1300Kbpsのスループットを確認

 HSPA規格には下り通信速度を重視した上下非対称のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)と、上りも速くするHSUPAの2種類の規格がある。これまでHSDPAを使った通信サービスはイー・モバイルだけでなく各社が提供してきた。HSDPAは下りは3.6/7.2Mbpsなど高速だが、上りは364kbpsと比較的遅い。HSUPAでは下り7.2Mbpsとそのままだが、上りは1.4Mbpsと理論値比較でHSDPAの3.6倍となる。HSUPAは規格上は上り5.67Mbpsまである。イー・モバイルはスタート時点では1.4Mbpsだが今後はさらなる高速化も視野に入れているという。

 イー・モバイルは東京都内で開いた記者発表会でデモンストレーションを披露。1.2MBのJPEG画像ファイルの送信が8秒程度、2.15MBのファイルが14秒程度で終わる様子を示した。またYahoo!BBの速度計測サイトを用いたテストでも、1300Kbps程度の速度を確認できた。

 現在同社のカバーエリアはローミングをのぞいて全国85%程度。11月下旬のサービス開始時には、このうち4割程度がHSUPAに対応し、順次広げていくという。

通信を重視した“通話もできる”、小型端末

 新サービス発表と同時に、同社は2種類の端末を発表した。いずれもHSUPAではなくHSDPA対応で、ジャンルとしては通信サービスも利用できる音声端末だ。

 中国LongCheer Technology製の「H11LC」は57グラムと小型・軽量な端末。下り3.6MbpsのHSDPA通信サービスに対応し、PCとの接続にUSBケーブルが使える。端末側がミニUSB端子で、汎用のUSBケーブルが使えることが特徴という。最低限の通話機能や音楽プレイヤー機能、microSDスロットなどはあるが、PCとともに持ち歩いてデータ通信を行うことを前提に割り切ったシンプルさだ。Webブラウジングやメール機能は持たない。新にねん申し込み時の価格が5980円とスマートフォンに比べて安価で、新たな利用者層を取り込みたい考えだ。

 中国Huawei Technologies製の「E.T. H12HW」は12月発売予定。幅47ミリのスリムボディの高機能端末。3.6MbpsのHSDPA通信サービスに対応し、高速モデムとして利用できるのが特徴だ。

emobile03.jpg 重量57グラムと小型のH11LC。通話もできる通信端末という印象で、汎用のUSBケーブルで高速モデムとしてPCで利用できる。microSDカードを使って音楽プレイヤーにもなるが、メールやWebなどの機能はない
emobile04.jpg USBスティック型の「H21HW」。下り7.2Mbps、上り1.4MbpsのHSUPAに対応。ドライバのインストールなしに使える。USB端子の接続部をキャップレスの回転式としたことで、省スペース性と収納性を高めたという

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(@IT 西村賢)

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