ノーテル、「2011年までにデータセンターを1カ所に統合する」自社製品も活用して、グリーンITを率先垂範

» 2008年11月17日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 ノーテルは11月17日、同社のグリーンITの取り組みに関するプレスセミナーを開催した。現在11あるデータセンターを2011年初頭までに1カ所に統合するほか、同社のIP PBX製品やユニファイドコミュニケーション製品を自ら導入して在宅勤務を推進するなど、環境負荷低減と経済性の両立にいっそう力を入れていくという。

 世界的な環境意識の高まりとともに、IT業界外におけるグリーンITの取り組みに対する認知度も向上しつつある。IDCの米国における調査によれば、「エグゼクティブの80%がグリーンITに対する認識を深めており、うち43%がサプライヤを決める際に“グリーン度”を考慮する」という。

 こうした中、59カ国に11のデータセンターと2100台のサーバ、5100台のスイッチ/ルーターを持つノーテルもグリーンITを重要課題と認識。「インフラ関連」「コミュニケーション関連」「その他ITイニシアティブ」の3分野においてグリーンITの取り組みを行っているという。

 具体的には、11のデータセンターを2011年初頭までに1つに統合する「データセンター戦略」やサーバ仮想化を推進する「インフラ関連」、同社のIP PBX製品やユニファイドコミュニケーション製品を自ら導入し、テレビ会議や在宅勤務などを積極的に取り入れていく「コミュニケーション関連」、そしてコピーの両面印刷や、PCの電源をこまめに切る活動を社内で習慣化していく「その他ITイニシアティブ」の3分野だ。

写真 テレビ会議機能を使って参加したノーテル アジアCIOのエリック・ローゾン(Eric Lauzon)氏

 その一環として、シンガポールのオフィスからテレビ会議機能を使って参加したノーテル アジアCIOのエリック・ローゾン(Eric Lauzon)氏は、「経済と環境の効率性を追求することが、ビジネスを成功させるとともに、国際社会の一員としての社会的責任を果たすことになる」として、現在も急ピッチで取り組みを進めていることをアピールした。

 例えば、データセンターは11月17日現在、11カ所から7カ所にまで統合した。併せてデータセンターで管理していたビジネスアプリケーションを「本当に必要なものを見極め、この1年間で1100から750まで減らした。将来的には100に抑える。サーバも5年前は約4000台あったが、現在は約2000台まで削減した」(ローゾン氏)という。  

 一方、コミュニケーション関連では、ユニファイドコミュニケーション製品を導入していなかった4年前に比べ、あらゆる分野で環境負荷低減と経費削減を両立できる見込みだという。

 「テレビ会議で出張費を年間500万ドル削減できるほか、在宅勤務の奨励によってその分オフィスが不要となることで、年間2200万ドルの不動産コストを削減できる。そのほか電話会議による効率化など、コミュニケーション関連の施策全体では年間で最低3400万ドルのコスト削減が見込める。テレビ会議や在宅勤務により、人の無駄な移動を防げる分、CO2削減への貢献度も大きい」(ローゾン氏)

 もちろん日本国内でもグローバルと同様に、統合的な業務環境ポリシー「Integrated Work Environment Policy(IWE)」にのっとり、在宅勤務の奨励や、書類の承認過程をオンライン化によるペーパーレス化などに積極的に取り組んでいるという。

 ノーテルネットワークス代表取締役社長のレイ・テスク氏は、「IWEとは単なる“在宅勤務”ではなく、“実務、IT、不動産問題を統合させたソリューション”と認識してほしい。ノーテルで実践しているこの環境ポリシーは、他社でも応用可能であり、環境負荷低減とワークライフバランスの実現に大きく寄与するはずだ」と力説した。

 最後にローゾン氏は、「世界的に環境負荷低減が叫ばれているいま、合理的にITソリューションを管理・活用することがわれわれの役割と認識している。“持続可能な社会”実現に寄与している世界の主要企業を取り上げる『北米ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス』にも3年連続でランクされるなど、対外的にも様々な実績を残してきたが、今後も環境と経済性の両立に向けて、積極的に活動していきたい」とまとめた。

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