中国メーカーが日本市場に参入!?Weekly Top 10

» 2008年12月08日 00時00分 公開
[西村賢,@IT]

 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングの第1位は「九州大学にクラウド現れる」だった。日本IBMと九州大学大学院システム情報科学研究院がクラウド・コンピューティング環境を構築することで合意したというニュース。分散処理フレームワーク「Hadoop」の検証などを行うという。

NewsInsight Weekly Top 10
(2008年12月1日〜12月7日)
1位 九州大学にクラウド現れる
2位 Python 3.0が正式リリース
3位 「無駄な会議」に出るくらいなら仕事をしたい
4位 不況にもかかわらずネットの闇市場は拡大、シマンテック調査
5位 グーグル、Chrome向けエクステンションのホスティングを計画
6位 青山学院、15万人がHotmail利用へ
7位 マツダ、基幹システムで国内最大級の仮想化導入
8位 サン・マイクロシステムズ:革新者のジレンマ
9位 楽天版MapReduce・HadoopはRubyを活用
10位 レノボ、「IdeaPad S10e」で国内UMPC市場に参入

 先週記者が気になったのはレノボがUMPC市場に参入するというニュースだ。満を持して出してきたという印象もあって、そういう視点でも気になるのだが、一般メディアの報道の仕方が気になった。「中国メーカーの参入」と伝えているケースがあって、そうだったのかと唸ってしまった。

 製品発表会では、米国、中国、日本の3拠点の共同開発、分業体制についても詳細に解説があった。レノボは確かに本社は中国だが、もはやグローバル企業。単純に“中国メーカー”とくくってしまうのは、どうも違和感を感じる。

 大和事業所はIBM時代から変わらずThinkPadブランドを守り続けているし、その品質やメンテナンスのやりやすさでハイエンドユーザーを魅了し続けている。ファンという言葉を使ってもいいが、そうしたThinkPadユーザーたちや、IT業界に日々身を置いている人々には、むしろ今回の発表は大和研を含む彼らがコンシューマ市場に“再参入する”と映ったはずだ。発表会でも再参入という言葉を当然のように使っていた。質疑では、大和研が今回の製品にどれだけ関わっているのかという点についての質問が多く出た。

 トヨタ、ソニー、ノキア、マイクロソフトなどと同じで巨大なグローバル企業を指して「メーカー」(は国名)と呼ぶこともあるが、もう時代が変わってきて、そう単純にくくれないのではないか、という気もする。もちろん法人は相変わらず各地域に登記して活動をしているわけだが、サービス(製品)や組織がこれだけグローバルになってくると、どうも違和感の残る表現だ。

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