インフォテリア、仮想的にマスタデータを統合管理できる新製品マスタデータを統合することでコスト削減を実現

» 2009年01月20日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 インフォテリアは1月20日、マスタデータを管理する新製品「ASTERIA MDM One MI」の出荷を開始すると発表した。同社の既存製品「ASTERIA MDM One MH」などと連携することで、仮想的にマスタデータを統合・管理できるようになることから、大幅なコスト削減が可能になるという。

平野氏写真 インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏

 ASTERIA MDM One MIは、複数個所に点在するマスタデータを、データハブソフトウェアである「ASTERIA MDM One MH」などを利用することで仮想的に統合し、一元管理するための管理ソフトウェア。一方、ASTERIA MDM One MHは2008年にリリースされた製品で、各所に分散するマスタデータに対してハブの役割をして、仮想的に統合する役割を持つソフトウェアだ。今回リリースされたASTERIA MDM One MIは、この仮想的に統合したマスタデータを管理したり、付加機能を付与することができる。

 通常、複数個所にマスタデータがあると、入力個所や入力方式も増えることからデータの整合性をとるためのメンテナンスが大変になる。そこで、ASTERIA MDM Oneシリーズでは、これら複数のマスタデータを仮想的に1つのマスタデータに統合し、スムーズなデータ連携を可能にする。その際、承認フロー機能を付与することも可能だ。

 インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏によると、「この製品のターゲットである大企業では部署ごとにサーバが乱立し、“マスタデータのスパゲッティ状態”が、まん延している。営業社員の場合、『メール』や『会計システム』『入退室』『営業報告』などデータの6重入力をしているケースもある。ただし、現在ではSaaSを併用している場合もあり、物理的にデータベースを1つにまとめるのはかなり難しい。そこで仮想化技術を利用して、それらのデータを仮想化で1つにまとめることで、入力の手間を省けるほか、データ管理も楽になり、コスト削減が可能だ。不況といわれているいま、経営者はコスト削減という言葉に敏感だ。ASTERIA MDM Oneは、そのような経営者の琴線に触れることができるだろう」と語り、コスト削減に自信を見せた。

 ASTERIA MDM One MIは、マスタデータを仮想的に統合する「ASTERIA MDM One MH」、データクレンジングを行う「ASTERIA MDM One DQ」、マスタデータ統合支援サービス「ASTERIA MDM One GT」と連携することで、分散されたマスタデータを仮想的に統合する「Virtuallization(仮想化)」、マスタデータにかかわる情報を可視化する「Visualization(可視化)」、マスタデータを整備することで活性化する「Vitalization(活性化)」の“3つのV”を実現するという。

画面イメージ ASTERIA MDM One MIの画面イメージ。マスタデータ連携の関係図が可視化されていて分かりやすい

 ASTERIA MDM One MIを利用することで、マスタデータ管理の承認フローを簡単に作成できるほか、社内システムのマスタデータ連携図もグラフィカルに表示できるようになる。ASTERIA MDM One MIは、マスタデータの数によって料金が変わるものの、最小構成で300万円から。ASTERIA MDM Oneシリーズで3年後に6億円の売り上げを目指す。平野氏は「外資系企業のマスタデータ管理製品と比較して、ゼロの数が1個か2個違う」とコメントし、低価格を強調した。

 また、インフォテリアではASTERIA MDM One MIの出荷に伴い、新しいパートナー制度を開始。「ASTERIA MDM アドバイザリーパートナー」を新設した。ASTERIA MDM アドバイザリーパートナーは、マスタデータ管理の構築支援やコンサルティングなどに特化したパートナー制度。当初は井阪コンサルティング事務所、データ総研、リアライズの3社が参加する。

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