複数人同時編集やJSプラグインの機能も

Mozilla、ブラウザ上で動くコードエディタ発表

2009/02/16

bespin00.png

 Mozillaファウンデーションは2月12日、Webブラウザ上で実行できるコード・エディタ「Bespin 0.1」(ベスピン)を発表した。実験的なソフトウェア・サービスの開発を行うMozillaラボのアルファ版として、Mozilla Public Licenseの元にオープンソースで公開している。サーバ上に置いたファイルを直接編集でき、そのままWebブラウザでプレビューも可能。ほかに、複数人による共同編集や、同じくMozillaラボが取り組むコマンドラインツール「Ubiquity」を統合して、プラグインの作成や取り込みを容易にするなど斬新な試みだ。ちなみに、Bespinは映画スターウォーズに登場する巨大ガス惑星の名称。

 Bespinのフロントエンドはファイル・ディレクトリを階層状に閲覧する“ダッシュボード”と、コードエディタから成る。フロントエンドはJavaScriptとHTMLで作成されており、Webブラウザだけでテキストエディタ環境を整備しているのが最大の特徴。コードハイライト機能を備えており、JavaScriptやHTMLのキーワードは色分け表示される。サーバサイドのプログラムはPythonとJavaで実装されている。

bespin01.png 公開されたBespin 0.1の画面例
bespin02.png ディレクトリツリーは階層上にたどれる

 1万行を超えるような大きなファイルを開いたときにも機敏な動作をすることを目標に開発されている。テキストの表示や独自のスクロールバーなどには、HTML 5に含まれるCavasを使って行っている。Canvasはスクリプトで操作可能な2Dグラフィックを記述するためのHTML要素。

 開発チームでは、Internet Explorerを除くモダンなWebブラウザならBespinを実行可能で、Firefox 3やWebKitベースのWebブラウザで稼働するとしている。@IT編集部で試したところFirefox 3では動作したが、WebKitベースのChromeでは動作しなかった。これは単にブラウザチェックのためではなく、Bespinが利用している機能をChromeがサポートしていないためだという。

 Bespin開発チームはFAQの中で、Webブラウザ向けのコードエディタを作成するプロジェクトを開始した理由として、viやEmacsではなく最初からクラウド向けとして、クリーンで拡張可能なコードエディタを作るとどういうプラットフォームになるのか試してみたかったことのほかに、HTML 5など最新の技術を使ってWebで何が可能かを示したかったからと説明している。

 viやEmacsのように利用者が自由に拡張できるよう、Bespinには統合されたコマンドラインツールが用意されている。これは、同じMozillaラボの別プロジェクト「Ubiquity」を取り込んだもの。ファイル関連の操作や、複数人による同時編集の可否、タブサイズ、キーバインディングなど各種設定の変更などができる。Ubiquity同様にJavaScriptでプラグインを書くことで、自作コマンドを追加できる。例えば、オンラインマニュアルを読み込んで、検索・表示するような用途には使えるだろう。

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(@IT 西村賢)

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