広告主も1ユーザーとしてコミュニティに参加
ユーザー参加のCM映像、YouTubeの成功事例
2009/03/16
YouTubeを使った企業の広報活動で、いくつか成功事例と呼べそうなものが出てきている。ユーザーの口コミに乗って100万回以上の再生回数を叩き出すような話題性の高いコンテンツがある(参考記事:YouTubeらしい広告のあり方を模索、グーグル)一方で、企業と消費者が、同じユーザーとしてコミュニケーションを楽しみ、それが結果としてブランド価値向上に貢献する例もある。
3月16日に都内の本社で会見し、YouTubeの取り組みについて説明したグーグルの徳生裕人氏(YouTubeのシニアプロダクトマネージャー、日本およびアジア太平洋地域担当)は「数字に表れない効果もある」として、いくつか事例を挙げた。
広告主もYouTubeユーザーとして参加
徳生氏は、ユーザーとのコミュニケーションがうまくいった企業のマーケティング活動として、付せん紙の世界的ブランドとして知られる3Mの「Post-it」やトヨタの小型車「iQ」の例など6例を挙げた。これらは、2種類に大別できそうだ。1つは動画コンテストによるCM映像の募集、もう1つはマスメディア時代には考えられなかったような企業と消費者のインタラクションだ。以下が、その例だ。
■3M、付せん紙の楽しい使い方を募集
付せん紙で知られる3Mの「Post-it」を使った動画コンテスト。Post-itのユニークな利用法を動画で募集。優勝作品には1万ドルの賞金。家に残された夫が、妻の事細かな家事の指示が書かれた付せん紙を発見していくというストーリー映像や、ラップ風のBGMに載せた映像などが投稿。チャンネル再生回数は約60万回。
3MはPost-itで面白い使い方の動画を募集(http://www.youtube.com/user/postitnotes)■P&G、5500本のパロディ映像で新商品をPR
洗剤メーカーとして知られるP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、新商品の利用機会の認知度向上のためにYouTube上での動画コンテストを開催。新商品はスティック状のシミ落とし「Tide to Go」。コーヒーや食べ物をこぼしてできたシミを、水洗いなしに落とせるといううたい文句の商品だ。この商品のCMで、衣類にこびりついたシミが着用者の意図と無関係に困ったことをしゃべり出すというのを元ネタとして、5500本ものパロディ映像が作られたという。さらに、視聴者による投票で最優秀作品に選ばれた映像はテレビでゴールデンタイムに放映された。もともとパロディを作りやすいテーマだったこともあり、あらゆる生活シーンの映像が登場。ブランドチャンネルには1日4万人以上の来訪者があり、新商品用に作ったWebサイトへの導線としても活用されたという。
5500本のパロディ映像がアップロードされたP&Gの新商品「Tide To Go」(http://www.youtube.com/user/mytalkingstain)。■トヨタ、ユーザーの“突っ込み”に“枠”な切り返し
トヨタの小型車「iQ」の公式チャンネルは、日本のスポンサーチャンネルで、現在チャンネル登録者数ランキング1位。2008年10月14日、駐車場の狭いスペースにアクロバティックにドリフトしながら1台分のスペースに2台のiQを神業のように停車させる映像を公開。この映像に対して「どうやって出すのでしょうね」という視聴者の突っ込みがいくつか付いた。こうしたコメントに対してトヨタは、約1カ月後に続編映像を公開。ほとんど動くスキもない状態に駐車されたiQをひたすら切り返しを繰り返して抜け出すという映像で切り返してみせた。
■バーガーキング、毎週の更新でファンとのつながり維持
ファーストフード大手、バーガーキングの公式チャンネル。定期的にコンテンツを公開することで、ファンとの長期的なエンゲージメントを形成。同チャンネルは2万1800人の登録者があり、世界で2番目に登録者が多いチャンネルとなっているという。毎週動画がアップロードされており、多いときには100万回以上の再生があるという。
バーガーキングの公式チャンネル(http://www.youtube.com/user/bk。■EA、本物のウッズを使ってまでバグを否定
ゲーム制作会社のエレクトリック・アーツはタイガー・ウッズを起用したゲーム「Tiger Woods PGA Tour 08」のバグ映像を公開したユーザーに対して返答映像を制作。池の水面に浮いたボールを、タイガー・ウッズが水の上に浮かんで打つという非現実的なゲームシーンを“バグ”だとするユーザーに対して、本物のタイガー・ウッズを使って否定。この粋な切り返しで、一連の動画はYouTubeで非常な人気に。現在までに288万回再生されている。
このほか、徳生氏は東芝のペットの動画コンテストやジョンソン&ジョンソンが子育て中の主婦を対象としたコミュニティサイトと連動する形でYouTube上に子育てに役立つヒント動画を提供する事例を紹介。消費者との双方向コミュニケーションのプラットフォームとして役立てる動きが特に米国で広がっているという。
YouTubeで企業が公式チャンネルを開設する際には、コメント欄を閉じたりユーザー評価を禁じたりする例もあるが、徳生氏は「YouTube上ので熱狂を活かしてほしい。広告主もコミュニティに参加している」と話している。
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