矢野経済研究所がIT投資調査
ITシステム、所有から利用への流れが鮮明に
2009/03/26
民間調査会社の矢野経済研究所は3月26日、国内企業677社を対象としたIT投資についての調査結果を発表した。IT投資全体に占める割合で見ると、2008年度と比べて、2010年度に投資の割合が増えるのはSaaSや運用・保守、アウトソーシング。逆に投資の割合が減るのはハードウェアやベンダ開発・自社開発のアプリケーション。矢野経済研究所は「ITシステムの所有から利用への流れが加速する」としている。
2008年度に最もIT投資額が大きいのはハードウェアで、全体の30.3%を占める。しかし、この割合は年々減少し、2010年度は28.8%まで下がると矢野経済研究所は予測する。ベンダ開発・自社開発のアプリケーションへの投資も2008年度の20.1%が2010年度には19.5%に低下する見込みだ。
対して投資が増えるのはSaaS(ASP含む)と運用・保守、運用・保守のアウトソーシング。SaaSは2008年度にIT投資額の1.1%を占めていたが、2010年度には1.5%に伸びると見られる。ただ、伸びるといっても全体の1.5%を占めるに過ぎず、矢野経済研究所は「(SaaSの)普及には相応な年数が必要」と指摘している。
IT投資額の構成比率の推移(矢野経済研究所の発表資料から)SaaSへの投資は業種によって違いがある。IT投資全体に占めるSaaSの割合が最も高いのは公共で、2008年度はIT投資の2.7%がSaaSに向けられていた。2010年度には4.9%となる見込みで、SaaS市場を牽引する可能性がある。公共では定額給付金の管理システムにSaaSアプリケーションの「Salesforce」を採用する自治体が現れる(参照記事)など、固定費を抑えて迅速にサービスを提供しようとするニーズが高いと見られる。
そのほかの業種では加工製造業やサービスでSaaSへの投資の割合が若干高まる。売上規模別では中堅企業以上でSaaSへの投資の割合が大きくなるようだ。売上が500億円以上1000億円未満の企業では2008年度の1.1%が2010年度には1.7%に増える予測。1000億円以上の企業では、2.2%が2.8%に増加するとしている。
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