サイオスがビジネスアプリを実用化、Slim3やWicketも

App Engine発表後、クラウド時代に向けJavaの対応が加速

2009/04/13

 サイオステクノロジーは4月13日、グーグルのクラウドコンピューティングサービス「Google App Engine(以下、GAE)」上で稼働するJavaのビジネスアプリケーションを実用化したと発表した。先日発表されたGAEのサポート言語にJavaが追加されたことを受けての発表となった(参考:グーグルのクラウドがJava対応、JRubyも稼働か)。

 サイオステクノロジーが開発したビジネスアプリケーションは、企業や団体の会員管理および会費徴収システムで、入会受付や会員情報の管理、会費支払い、決済までの機能を提供する。NPO法人 Seasarファウンデーション向けに開発した。

 Seasarファウンデーションは、DIコンテナSeasar2を主とするオープンソースのSeasarプロジェクトを母体とするNPO法人。先日開催されたSeasarファウンデーションの主催イベント「Seasar Conference 2009 White」にて、「Web上でSeasarファウンデーションのNPO会員になれる仕組みを準備中だ」と発表があったばかりだ(参考:DI×AOPのこれまで、Seasarの今、そしてSlim3へ…)。

 サイオステクノロジーは、社内ネットワークとクラウド・コンピューティングを連携させる「クラウドインテグレーションサービス」を提供している。すでにGoogle Apps導入を支援する「SIOS Integration for Google Apps」と併せ、今後は、GAE for Javaを利用したソリューションの受託開発を行う。技術コンサルティングや保守サービスなども提供し、企業や団体のクラウド・コンピューティング導入を支援していくという。

 また、GAE for Javaは先着1万名限定のプレビュー版での公開ながら、4月8日の発表を受けてJava VMで動くさまざまなフレームワークやツールの動作確認が世界中で行われている。また、対応表明も出始めた。下記リストはほんの一例だ。

 GAE上で稼働するアプリケーションの利点は、サーバを維持管理する必要がなく、またトラフィックやデータストレージの増大に合わせて柔軟に拡張でき、インフラ管理のコストを軽減できること。一方で、現在多くのビジネスアプリケーションで使われているRDBMSのデータ構造を、グーグルならではのデータ保持分散ストレージシステム「BigTable」に対応させなければならない。

 そのためデータベースの設計を一から変える必要があるという問題点も指摘されているが、今後もGAE for Java対応に関する発表は増加しそうだ。

(@IT 平田修)

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