仮想化環境の性能管理で悩まないためのツール東京エレクトロンデバイスが発売

» 2009年04月17日 00時00分 公開
[三木泉,@IT]

 東京エレクトロンデバイス CN事業統括本部は、米Akorri(アコーリ)と国内総代理店契約を結び、AkorriのIT性能管理ソフトウェア「BalancePoint」の国内販売開始を発表した。

 BalancePointはアプリケーション・レスポンスを監視し、性能問題の分析やキャパシティ・プランニングを支援するツール。データベースなどのアプリケーション、OS、仮想化ソフトウェア、ストレージにそれぞれ管理アクセスをすることで、自動的に構成、利用、性能関連情報を収集する。

 BalancePointは物理環境の管理支援も行えるが、特にターゲットとしているのは仮想化された環境。仮想マシンの動的な移動も発生するサーバ仮想化環境では、アプリケーション、仮想マシン、ハイパーバイザ、ストレージにおけるLUNやRAIDグループの接続関係を追跡し続けることが難しい。このため「思ったようなパフォーマンスが出ない」といった場合にも原因究明に時間と労力が掛かる。ストレージについては特に、これまでサーバ内蔵のディスクドライブでまかなっていたものを、仮想化に伴ってネットワークストレージに移行するケースが多く、管理者にとって性能管理で考慮しなければならないポイントが増える。

 BalancePointは管理アクセスで得た情報を基に、仮想マシンやLUNなどの要素の相互連関を、トポロジーマップとして自動的にグラフィカル表示する。構成が変更された場合も、情報は自動的に更新される。いずれかの要素でパフォーマンスに問題が発生すると、その要素を赤く表示し、問題がどこから生じているのかの特定を支援する。

仮想マシンからストレージのLUNまでの相互関係をトポロジーマップとして表示

 BalancePointでは、管理者がしきい値を設定する必要はない。個々の要素について自動的に最適なパフォーマンスレベルを示し、これを満たせない状況が発生すると警告する。また、VMwareについては、パフォーマンスと利用効率の観点から、サーバの集約度が最適かどうかを判断する指標も提供する。アプリケーションやトラフィックのトレンド解析機能も備えている。

サーバや仮想マシン単位で消費するストレージ容量やパフォーマンス値を一覧できる

 情報収集はUNIX OSやVMware ESXに対してはSSH、Windows Serverに対してはWMI、ストレージに対してはSMI-Sあるいは各社の管理インタフェースを用いる。対応ストレージはEMC、デルEqualLogic、HP EVA、IBM DSシリーズ/FAStT、日立USP/AMS/NSC、ネットアップ、LSI Engenio。ストレージ・ネットワーキング機器ではブロケードのファイバチャネル・スイッチとIBMのSAN Volume Controller。仮想化プラットフォームとしては現在VMware ESX 3.0.1以上、IBM LPAR/Virtual OSおよびのみをサポートしているが、Hyper-VやXenServerへの対応も予定しているという。アプリケーションで対応しているのはOracle 9i/10g、SQL Server。OS機能の1つとしてのファイルサービスにも対応できる。

 BalancePointは外部ストレージの実使用容量に基づく料金体系をとっている。5TBで225万円(税別)から。東京エレクトロンデバイスCN事業統括本部は、解析支援などのサポートサービスも提供する。なお、同本部は4月1日付けで組織再編を行い、従来よりも直販とソリューションを重視する体制に移行しているという。

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