「映像と音声、両方の案内でCSを向上」、日本アバイアボイスポータル製品の最新版、「Avaya Voice Portal 5.0」発売

» 2009年05月22日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本アバイアは5月22日、視覚情報を組み合わせた自動応答サービスを実現するソフトウェア「Avaya Voice Portal 5.0」を提供すると発表した。テレビ電話機能を持つ3G携帯電話に向けて、映像を組み合わせた自動音声応答サービスを提供可能とすることで、通信販売の発注手続きなどの利便性を向上し、顧客満足度アップに寄与するという。

 ボイスポータルは音声認識や音声合成技術を活用したソフトウェア。一般に、ユーザー側が音声で情報を入力すると、それに対する回答を音声で自動提供するという機能を持ち、企業の窓口機能として使われる例が多い。Avaya Voice Portalも、ユーザー側が電話機のタッチトーンの代わりに音声で情報を入力すると、企業側も音声で自動回答する、といった機能を提供する。ただ、Avaya Voice Portalの場合、そうした機能に加え、CRM、ERP、SCMといった企業内の各種業務システムと連携し、重要な情報を社員に対して音声で自動的に通知する機能も提供できる点が特徴だ。

写真   一般消費者に対する窓口機能を提供するほか、企業内の業務システムと連携し、社員に対しても重要な情報を音声で通知できる。これに映像情報の提供機能も加わった。

 2008年2月にリリースしたバージョン4.1では、あらかじめ設定した状況に応じて、消費者に自動的に商品案内などの電話を掛けるアウトバウンド機能や、企業内において、音声で電話会議を招集する機能などを追加した。今回リリースしたバージョン5.0では、それらに加えて視覚情報の提供も実現。音声と映像を組み合わせた自動案内・回答を行うことで、ユーザー側の利便性、安心感をいっそう高められるという。

 例えば、テレビ通販の場合、顧客側が3G携帯電話のテレビ電話モードで注文受付先に電話をすると、顧客の携帯電話の画面に、音声とともにその通販企業のイメージ映像が流れ、次いで注文受付画面を表示する、といった具合だ。

 ポイントは注文受付フローにある。音声のみによる対応の場合、顧客側はプッシュボタンか音声で入力する際、「商品Aの場合は数字の1を、商品Bの場合は2を……」「注文を確定する場合は数字の1を、取り消す場合は2を入力してください」といったガイダンスを聞き、その反応を受けて対応するしかなかった。これが顧客側にストレスを感じさせる一因となっていたが、本製品の場合、注文する商品や回答の選択肢を、目で見て確認することができる。

 「音声案内と同時に、映像でも情報を確認できるので、顧客側の安心感は確実に高まる。また、ガイダンスを最後まで聞かなくても、映像で入力の選択肢を選べるため、よりスマートな入力が可能だ」(日本アバイア アジアパシフィック ソリューション マーケティング部長の平野淳氏)

写真 電話の取り次ぎ先候補を音声とともに映像で確認できる。このほか道路情報、道案内など、映像の利用パターンはさまざま考えられる。

 企業の電話受付に利用する場合も同様のメリットが期待できる。企業のロビーなどにある受付電話と同じ感覚で、「営業部」「販売部」「総務部」といった選択肢を携帯電話の画面上で確認し、スマートに電話を掛けられる。その一方、「企業にとっては、電話受付業務の効率化とともに、対応品質向上も両立させられる」(同氏)。

 なお、コールフロー作成は、Web開発者にとって標準的な開発環境であるEclipseベースのアドオンツール「Avaya Dialog Designer」で行う。これにより、IVR(音声自動応答装置)開発の経験がないWeb開発者でも、GUIベースのツールでVoiceXML/CCXMLといった音声アプリケーションの開発を容易に行えるという。このAvaya Dialog Designerは無償で提供する。

写真 日本アバイア アジアパシフィック ソリューション マーケティング部長の平野淳氏

 平野氏は「音声と映像情報の組み合わせにより、自動対応による効率性と、質の高いコミュニケーションを両立できる。顧客や企業内ユーザーの満足度、業務効率も確実に向上させられるはずだ。また、企業内の各種システムと連携できることから、すべての映像を一から用意する必要もない。自社Webサイトの画像やストリーミング映像といった既存資産を流用し、有効活用できる点もポイントだ」と力説した。

 Avaya Voice Portal 5.0は、代理店を通して販売し、1ポート当たり10〜15万円(導入規模などにより変動)。グローバルでは2万ポート以上という導入実績から「着実に浸透する土壌はある」と見込み、「通販業や金融業をはじめ、各業種に積極的にアピールしていく」という。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ