日本ヒューレット・パッカードは6月11日、統合インフラソリューション「HP BladeSystem Matrix」を発表した。これまで同社は次世代データセンターのあり方として、「アダプティブ・インフラストラクチャ」の概念を提唱してきた。これを実現するために必要となる個別製品は順次提供してきたが、HP BladeSystem Matrixは、そうしたブレードサーバやディスクアレイ、仮想化を含む管理ソフトウェアなどを1つのパッケージとして提供する製品。
都内で会見した日本ヒューレット・パッカード 執行役員 ESSトランスフォーメーション担当統括本部長兼マーケティング本部長の松本芳武氏は「(HP BladeSystem Matrixと個別製品で比較すると)個々のコンポーネントの価格差はないが、組み上がった形で提供することに価値がある」と統合による管理の容易さを強調する。これまで人手を要した配線周りやタッチパネルの切り替えといった業務を大幅に削減できるほか、システム構成の変更やプロビジョニングをWebベースのGUIで容易に行えるという。これまではアプリケーションごとに、要件に基づいてサイジングや構成検討、機器の発注、設置、プロビジョニング、インストレーション、環境構築などを行う必要があったが、テンプレート化された設定を利用することで、こうした運用管理の工数を削減できる。
HP BladeSystem Matrixは「インターナル・クラウドの決定版」(松本氏)として、100環境以上の管理・運用を必要とする顧客向けのソリューションだが、プロジェクトのライフサイクルに合わせて一連の環境提供や管理を自動化する社内向けの開発・検証環境や、ASPの共有サービスインフラとしての利用なども想定しているという。
HP BladeSystem Matrixの構成は以下の通り。
価格は最小構成で1265万8800円(税込み)から。出荷は8月下旬を予定している。またHP BladeSystem Matrixの発表に合わせて同社は、VMwareの最新版「VMware vSphere 4」の提供も開始する。
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