Interop Tokyo 2009で新製品を紹介

リバーベッド、ラインアップ強化でWAN高速化を「最適化」

2009/06/23

 リバーベッドテクノロジーは、6月10日から12日にかけて開催されたInterop Tokyo 2009の会場で、今後出荷予定の2種類の製品を紹介した。

riberbed00.jpg 米リバーベッドテクノロジー アジア太平洋/日本マーケティング担当シニアディレクター ポール・セラーノ氏

 リバーベッドの主力製品は、WAN高速化アプライアンス「Steelhead」シリーズだ。独自OS「RiOS」をベースに、差分転送やTCP最適化、アプリケーション高速化といった複数の技術を組み合わせ、きめ細かな判断に基づく高速化を実現している。

 2008年2月には、RiOSに仮想エッジサービス「RiOS Services Platform」(RSP)を追加した。Steelheadでハイパーバイザを動作させ、その上で、サードパーティが提供するWAN高速化以外のさまざまなサービスを仮想的に動作させることができる仕組みだ。すでに、DNS/DHCPサーバを提供するInfobloxなどが、RSPに対応している。

 米リバーベッドのアジア太平洋/日本マーケティング担当シニアディレクター、ポール・セラーノ氏は、引き続きRSPのパートナー企業は拡大していると述べた。特に重要なセキュリティ分野をカバーする企業として、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズやウェブセンスが加わった。さらに、マイクロソフトのWindows Server 2003/2008のサポートにより、ディレクトリサービスやプリントサービスなどもその上に搭載できるようになり、「別々に用意していた機器やサーバを1つに統合することができる」(セラーノ氏)という。

可視化アプライアンスで継続的な「最適化」を可能に

 今後登場予定の製品の1つは、アプリケーショントラフィックを可視化する「Riverbed Cascade」だ。2009年1月に買収したMazu Networksの技術をベースにした製品で、sFlowやNetFlowといったフロー情報を収集する「Collector」と、その情報を集約してレポートを作成する「Profiler」から構成されている。オプションの「Sensor」を追加すれば、SAPなどのアプリケーション名単位で、どの拠点とどの拠点の間でどのくらいのトラフィックが流れているかという情報まで把握可能だ。

riverbed01.jpg 参考出展された「Riverbed Cascade」

 Cascadeがもたらすメリットは、どのようなトラフィックが流れているかを正確に把握できるようにし、ネットワークの最適化を支援することだ。

 「Cascadeにより、例えばOutlookは大丈夫だけれどNotesは遅いという具合に、どのアプリケーションが高速化を必要としているかを把握できる。また、アプリケーションの速度が低下した場合は、その原因を掘り下げていくことにより遅延の原因を突き止め、問題が深刻化する前にアクションを取ることができる」(セラーノ氏)。

 「WAN最適化製品は、いったん導入して最適化したから一件落着、というものではない。企業システムには常に新しいアプリケーションが加わるものだ。中には管理者に知らせず、ユーザーがこっそりアプリケーションを追加することもあるが、その結果ネットワークの速度が低下してしまったとき、Cascadeを利用すれば『こんなアプリケーションが加わっており、最適化されていない』ということを把握できる」(同氏)。

 また、データセンターでは、コスト削減を目的に、仮想化技術を活用してサーバの統合に取り組む企業が増えているが、その際、どこにどのアプリケーションを集約すればいいのかを見極める役にも立つという。「アプリケーションを全部統合するのか、あるいは一部でいいのか、リソースの稼働率なども含めて見極め、何をどこまで統合し、どこに配置すべきかを把握できる。この結果、よりよいサーバ統合を実現できる」と同氏は述べた。Cascadeの価格は800万円程度からといい、7月より出荷を開始する予定だ。

HP製スイッチとの統合も

 もう1つの新製品は、リバーベッドとヒューレット・パッカードとの共同ソリューションだ。HPのスイッチ製品「ProCurve One」のモジュールとして、リバーベッドのWAN最適化機能が動作する。管理ツール側からは、通常のSteelheadアプライアンスと同じように見え、設定・管理が行えるほか、ワンストップのサポートが提供されることがメリットだ。

riverbed02.jpg HP ProCurve OneのモジュールとしてSteelheadが動作する

 リバーベッドが単体で提供するSteelheadアプライアンスは、データセンターなど、多数のトラフィックを集約するポイントでの導入を想定しているのに対し、HP ProCurve One用のモジュールは、ユーザー数が50人から200人程度の、リモートブランチでの導入を想定しているという。

 「WAN高速化機能がネットワークに統合されることにより、流れてくる情報をより多く収集でき、処理をいっそう最適化するなど、可能になるソリューションの幅が広がると思う」(セラーノ氏)。この統合ソリューションは、2009年第4四半期に、HPを通じて提供される予定だ。

(@IT 高橋睦美)

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