分散キー・バリュー型データストア「ROMA」

楽天、Rubyベースの大規模分散処理技術をサービス投入

2009/08/27

 楽天は8月27日、楽天技術研究所が開発した大規模分散処理ソフトウェア「ROMA」(Rakuten On-Memory Architecture)の本格運用を開始したと発表した。「楽天トラベル」で提供する閲覧履歴機能「最近見た宿」で導入したという。

 ROMAは、Ruby言語の開発者、まつもとゆきひろ氏が2007年6月に楽天技術研究所のフェローに就任して以来、開発を進めてきたもの。「memcached」や米アマゾンの「Dynamo」(ダイナモ)など分散キー・バリュー型データストアと似たキー・バリュー・ストレージ(KVS)と呼ばれる実装の1つで、Rubyの拡張ライブラリとして開発した。複数のサーバを仮想的に1つのデータストアのように扱い、従来のデータベースでは実現することが難しかった処理を可能にした。耐障害性、拡張性、保守性にも優れ、機能追加を柔軟に行うことができるという(参考記事:楽天版MapReduce・HadoopはRubyを活用)。

roma01.png ROMAイメージ図

 これまで楽天トラベルでは、PCでのパーソナライズ機能として、ユーザーが前回閲覧した宿を表示させる機能「最近見た宿」を導入していた。新たにモバイル向けで同機能を提供するにあたり、PC/モバイルの双方からアクセス履歴をシームレスに表示させるために、高速処理に優れたROMAを用いたという。これによりユーザーは、例えば帰宅途中にモバイルで週末の宿泊施設候補のページを閲覧し、帰宅後に自宅PCから「最近見た宿」で確認。モバイルで閲覧してPCで予約するということが可能になるという。

関連リンク

(@IT 西村賢)

情報をお寄せください:

Coding Edge フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。

ジェンダーレス消費の実態 男性向けメイクアップ需要が伸長
男性の間で美容に関する意識が高まりを見せています。カタリナ マーケティング ジャパン...