XPDLで双方向にデータ移行
BPMはラウンドトリップが必要、富士通と日揮情報システムが連携
2009/09/17
富士通と日揮情報システムは、富士通のビジネスプロセス管理ソフトウェア「Interstage Business Process Manager」と日揮情報システムのビジネスプロセスモデリングツール「ITP Process Modeler for Microsoft Visio」の双方向でのデータ連携を実証したことを明らかにした。
データ連携は、業務プロセスモデリング表記標準Business Process Model Notation(BPMN)に基づき、Workflow Management Coalition(WfMC)が標準化を進めている業務プロセス定義交換フォーマットXPDLを利用して実現した。
XPDLはビジネスプロセス管理製品間のデータの可搬性を目的に定められた標準。これに対応した製品は多いが、WfMCが実施しているXPDL/BPMN可搬性適合テストに合格したのは、Interstage、ITPを含め3製品にとどまるという。
今回の2製品の連携はこれを踏まえて行われた。Interstage Business Process Managerは特に米国で、大手金融機関などの採用実績がある。しかしIT視点で構築するビジネスプロセス管理ソフトウェアとしての限界もある。一方、日揮情報システムが提供しているITP Process Modelerは業務部門が絵を描くような形で、業務プロセス要件をグラフィカルに表現できるVisioのアドオンツール。BPMNへの100%準拠が大きな特徴の1つだ。
ITP Process Modelerで記述された業務プロセス定義をInterstage Business Process Managerに取り込み、これを基にアプリケーションを開発できる。2製品の双方向連携で、業務分析からアプリケーション開発までが一連の流れとして円滑に行えるようになるだけでなく、運用状況を踏まえて業務プロセス定義に修正を加え、実装するというラウンドトリップ・サイクルが実現できる。
今回2社は、Interstage Business Process Manager側からITP Process Modelerへのデータの取り込みも検証したが、これは家屋の建築に例えることができる。新築時の設計図は、その後増改築が行われれば、不完全なものになってしまう。しかし増改築後の「実設計図」を取得できれば、最新の家屋の状態に基づいて、施工主が新たな増改築の注文を出すことができる。
「例えばITP Process Modelerで業務部門やコンサルタントが絵を描き、こういうロジックでつくってくれとIT部門やベンダに依頼すると、IT側は『業務側ではこう表現したが、ふつうアプリケーションではこういう流れになる』ということで組み直してしまうケースも出てくる。半年後や1年後に業務が新しい要件を追加してほしいというときに、業務側は古い設計図しか持っていないので、IT側は対応が取りづらくなっているのが現状」(富士通 ミドルウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部 計画部 担当部長 仁藤滋昭氏)という。
BPM協会の運営理事も努める日揮情報システムの岩田アキラ氏は、「いままでの業務モデルは設計書、開発過程での中間成果物で終わってしまい、実装すると忘れられてしまう。再び業務を改善した場合には、もう一度ゼロから現状分析をして図面を引き直すことになっている。しかしBPMはPDCAサイクルが基本。実行して改良していく際には業務プロセスが絶えず現状を反映している必要がある。XPDLにはこのため、ラウンドトリップという考え方がある、難しいが、このことに挑戦してみようというのが今回の取り組み」と説明する。
日揮情報システムの岩田氏(左)と富士通の仁藤氏(右)日本版SOX法が2年目に入り、今後はシステム的にPDCAサイクルを回していくことの重要性が増してくる。このため、今回2社はWfMCの適合テストにも要件として含まれていないラウンドトリップ・サイクルの実装検証を独自に行ったという。
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