企業価値向上を支援する財務戦略メディア

複数の表示方式を選択可能

「包括利益」が2011年3月期に導入へ、ASBJが暫定合意

2009/11/10

PR

 企業会計基準委員会(ASBJ)は財務諸表の表示項目として、新たに「包括利益」を導入することを10月29日の第188回企業会計基準委員会で暫定合意した。年内に公開草案を公表し、2011年3月期からの適用を目指す。IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の強制適用を前に、日本の財務諸表は大きく変わることになる。

 包括利益とは当期純利益(連結財務諸表の場合は少数株主損益調整前当期純利益)に「その他の包括利益」を加えた表示で、その他の包括利益には、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定などを区分して表示するとしている。従来の当期純利益と比べて企業の利益操作が困難とされている。IFRSや米国会計基準は包括利益を採用している。

 この暫定合意によって包括利益計算書が導入されることになる。ただし、合意の前提として「早期に導入を図るため、現行の当期純利益の表示とリサイクリングを維持するとともに、支配継続時の持分変動に関する現行の会計処理を前提とする」ことが挙げられていて、従来の当期純利益も表示としては残る。またリサイクリングとは、その他包括利益として認識された金額を損益に再分類することをいう。包括利益表示の適用範囲は連結財務諸表だけでなく、個別財務諸表も対象とする。

 具体的な包括利益計算書の表示方法は複数が挙げられており、ASBJは現状では選択適用を認める方針。1つは、1つの計算書で当期純利益と包括利益を表示する「1計算書方式」。もう1つは当期純利益を表示する損益計算書と、当期純利益とその他の包括利益を表示する包括利益計算書の2つを作成する「2計算書方式」だ。それぞれの計算書のひな形はASBJの資料(PDF)で確認できる。ASBJは複数の計算書から選択を認めることについて「短期的な対応」としていて、将来的には集約されると見られる。

 現行のIFRS(IAS1号)では1計算書方式と2計算書方式の選択を認めている。IASB(国際会計基準審議会)とFASB(米国財務会計基準審議会)は、1計算書方式へ将来的に一本化することを提案しているが、実際の適用は2013年頃と見られるため「切り離して検討を進める」(ASBJ)としている。

関連リンク

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

情報をお寄せください:

@IT Sepcial

IFRSフォーラム メールマガジン

RSSフィード

イベントカレンダーランキング

@IT イベントカレンダーへ

利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | サイトマップ | お問い合わせ
運営会社 | 採用情報 | IR情報

ITmediaITmedia NewsプロモバITmedia エンタープライズITmedia エグゼクティブTechTargetジャパン
LifeStylePC USERMobileShopping
@IT@IT MONOist@IT自分戦略研究所
Business Media 誠誠 Biz.ID