Sun×オラクルが“データ量の爆発”を解決する

日本でもOracle Exadata V2を販売開始、3995万円から

2009/11/11

 日本オラクルは11月11日、サン・マイクロシステムズの技術を組み込んだデータベースアプライアンス、「Oracle Exadata Database Machine Version 2」(Exadata V2)を日本でも発表した。データウェアハウス向けだったV1の機能に加え、フラッシュメモリを活用したランダムI/O性能向上により、OLTPマシンとしても最適化を行っている。

 Exadata V2はインテル Xeon(Nehalem)プロセッサやFlashFireなどのサンのハードウェアに、オラクルの主要ソフトウェア製品であるOracle Database 11g Release 2、およびOracle Exadata Storage Server Software Release 11.2などを組み合わせたアプライアンス。ストレージサーバ側のCPUを活用し、クエリーの一部をストレージ側で実行することにより、大量のデータであっても必要なデータのみを処理するため、データ転送量を10分の1程度まで抑えられる。また、各ストレージにフラッシュストレージを搭載し、アクセス頻度の高いデータをキャッシュする「Exadata Smart Flash Cache」により、ランダムI/O性能を大幅に向上した。この機能はSunのFlashFire技術に基づいたものだ。

Exadata V2の特長 Exadata V2の特長。CPUはインテルのNehalemマイクロアーキテクチャチップを使用している
日本オラクル 三澤智光氏 日本オラクル 常務執行役員 システム事業統括本部長 三澤智光氏

 日本オラクル 常務執行役員 システム事業統括本部長の三澤智光氏は、経営者がITに求めるものとして、「見たいときに見たい情報をよこせ、ただし金は使うな」という現状があるとした。これを実現するために、企業はERPやデータウェアハウスを導入しているが、年々増大し続けるデータ量を処理する仕組みが必要だ。三澤氏はExadata V2の日本展開について「企業が扱うべきデータ量が増大し続けているいま、劇的なパフォーマンスを実現した、経営者のニーズを満たせるマシンが登場した」とした。

 日本オラクルは、Exadata V2のターゲットをOLTPやデータウェアハウスと限定するのではなく、“すべてのデータベース市場”とし、それをExadata V2で塗り替えていくという意気込みだ。「データウェアハウス用DB、OLTP用DB、バッチ処理用DBなどの製品が登場しつつあるが、オラクルならば1つのデータベースですべてが完結する。Exadata V2のパフォーマンスを考えると、今後バッチ処理という概念はなくなるだろうとも思っている」(三澤氏)と述べた。

 Exadata V2は開発環境向けのベーシックシステム(DBサーバ×1、ストレージサーバ×1)、クオーターラック(DBサーバ×2、ストレージサーバ×3)、ハーフラック(DBサーバ×4、ストレージサーバ×7)、フルラック(DBサーバ×8、ストレージサーバ×14)の4つの構成で、本日より提供を開始する。日本での価格はクオーターラックで3995万円(税込)。

日本での価格と構成 日本における販売価格と構成。ベーシックシステムは基本的に開発環境向けのみの販売となる
日本オラクル本社に展示されているExadata V2の本体 日本オラクル本社に展示されているExadata V2の本体

(@IT 宮田 健)

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