SAP、OracleやDB2など多種DBに対応した高速BIツール「BusinessObjects Explorer」の新バージョンリリース

» 2009年11月11日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 SAPジャパンは11月11日、BI(ビジネスインテリジェンス)の新製品「SAP BusinessObjects Explorer」(以下、BO Explorer)の新バージョンを発表した。11月中に出荷開始する予定。

福田氏写真 米インテル SAPジャパン バイスプレジデント ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部長 福田譲氏

 BO Explorerは、SAPが買収した旧ビジネスオブジェクツ社のBusinessObjects XI向け検索モジュールである「BusinessObjects PoleStar」と、SAPのBIアプライアンス製品である「SAP Netweaver Business Warehouse Accelerator」(BWA)を初めて統合した製品。5月に発表され、日本でも6月から出荷を開始している。SAPジャパン バイスプレジデント ビジネスユーザー&プラットフォーム事業本部長 福田譲氏は、「日本でも導入企業が増えており、すでに本番稼働している企業もある」と説明した。

 BO Explorerは、数百万件程度のデータ件数に対応するソフトウェアの通常版と、データ件数数億件に対応し、インメモリ機能による高速な検索・分析機能が特徴のアプライアンス製品である高速版の2種類が存在する。今回新バージョンがリリースされたのは、高速版のバージョン7.2。

画面イメージ BO Explorerの画面イメージ。「パソコン アメリカ 利益」などの検索キーワードを入力すると、それに関係するデータが瞬時に表示される

 高速版は、検索やRIAを担う「Explorer」と、大容量メモリDBやインデックスを包含する「Open Accelerator」、ETL機能を担う「Data Services」がすべてブレードサーバに搭載されたアプライアンス製品。BWAの特徴であるインメモリ機能を活用することで、非常に高速な検索や分析を行える点が特徴だ。今回の新バージョンでは、旧ビジネスオブジェクツ社の「Data Services」を統合したことで、SAP BW以外のあらゆるデータソースからデータを持ってくることが可能になった。この点について福田氏は、「これにより、BO Explorerは大きな進歩を遂げる。従来はSAP BWのデータしか分析できなかったが、これでOracle上のデータであろうが、DB2上のデータであろうが、あらゆるデータを分析できるようになった。この点はBIツールとして非常に大きい」とコメントした。

 また、福田氏はすでに本番稼働している日本のユーザー事例を紹介。「従来、BIツール導入時は、導入前にヒアリングして要件定義し……、という作業を行っていたが、実際にヒアリングの段階になるとなかなか要件定義ができずに進ちょくしない、というケースが多かった。しかし、BO Explorerでは“まずデータを入力してユーザーに解放してしまう”という手法を用いたところ、先進ユーザーが勝手に使い始めて、そこから要件が出てくるという逆の手順で進みうまくいっているケースが出てきた。また、ユーザーが自分の好きなようにデータをいじれるため、帳票を作る必要性が減ったことで、開発工数が格段に減った点も大きい」と説明した。

 そのほか、同社ではモバイル環境向上に向けて、iPhone上でBO Explorerが体験できるアプリケーション「SAP BusinessObjects Explorer on iPhone」を近日リリースするとしている。

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