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日本オラクル、システムフロンティアがEBS向けに

IFRSと日本基準の標準仕訳パターン800種類をERPに提供

2010/01/08

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 日本オラクルは1月7日、システムフロンティアと協業し、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)と日本基準に対応した標準的な約800種の仕訳パターンを「Oracle E-Business Suite R12」(EBS)の顧客向けに1月末から提供開始すると発表した。顧客は日本基準の仕訳と、対応するIFRSの仕訳を同時に生成でき、複数の総勘定元帳に対応した記帳が可能になる。仕訳パターンからEBSに対応した技術的な要件定義を出力することもでき、開発の効率性向上にも役立つという。

 IFRSと日本基準に対応した仕訳パターンはシステムフロンティアが開発し、中京大学経営学部 学部長の吉田康英教授が監修した。仕訳パターンは業種を問わずに企業で一般的に利用できる800種類以上を用意。システムフロンティアが開発したツール「LASAI Booster」を使ってEBSに対して仕訳パターンを出力する。LASAI Boosterでは、IFRSと日本基準のそれぞれの仕訳パターンの参照や差分の確認、勘定科目の変更、修正履歴の確認などが可能。ユーザーが独自に仕訳パターンを入力することも可能という。

lasai01.jpg LASAI Boosterの仕訳パターン生成画面。日本基準とIFRSとを比較しながら仕訳を決定できる(開発中の画面です)

 IFRS、日本基準に対応した仕訳パターンを必要とするのは単体ERPを含めてIFRSに対応しようと考える企業だ。EBS R12は、1つの取り引きに対して複数の会計基準で仕訳し、それぞれの基準に対応した複数の総勘定元帳を作成する機能がある。例えば日本基準でこれまで決算してきた企業がEBS R12を利用すれば、日本基準の総勘定元帳とIFRSの総勘定元帳の2つを生成可能だ。IFRSベースの総勘定元帳は連結決算に利用、日本基準の総勘定元帳は税務や管理会計に使うことができる。

 EBS R12の中で複数仕訳を行うのが、会計アプリケーションの「Oracle General Ledger」に含まれる仕訳生成エンジンの「Oracle Sub Ledger Accounting」(SLA)だ。しかし、「SLAには実際の仕訳パターンは実装されていない」(日本オラクルのアプリケーション事業統括本部 担当ディレクター 桜本利幸氏)。そのため、顧客は自ら仕訳パターンを登録する必要があった。LASAI Boosterを使えば標準的な仕訳パターンを生成可能で、この登録作業を省略することができる。

 LASAI Boosterには技術的な仕様書を生成する機能もある。仕訳パターン決定後はEBS側の設定変更と、取り引きのベースとなる受注管理システム、購買管理システムなどの改修が必要になることが多い。LASAI Boosterは決定した仕訳パターンから、EBSやほかのシステムを改修するための仕様書を出力できるのだ。IFRS適用を目指す企業の多くは現状の取り引きを確認し、IFRSではどのような仕訳になるかを検討している段階だ。桜本氏はこのような企業に対して「検討した仕訳パターンをシステムに反映させるプロセスを一気通貫で提供することが可能になる」とシステムフロンティアとの協業をアピールする。

 標準的な仕訳パターンを生成し、システム関連の仕様書を出力するLASAI Boosterの最小構成価格は3000万円。システムフロンティアの執行役員 第六事業部長の山田雄久氏は「全業種で利用できる」と説明する。

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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