2010年度はDLPソリューションも提供へ

「内部のセキュリティが必要」、RSAセキュリティ

2010/01/08

　RSAセキュリティは1月8日、情報セキュリティ市場の動きと2010年の見通しに関する説明会を開催した。

　同社代表取締役社長の山野修氏は「以前はセキュリティといえば、外から内への攻撃をいかに防ぐかというものだったが、現在では内部から外部への情報漏えいや関係者による内部犯行が発生している。インバウンドに加えアウトバウンドのセキュリティが必要な時代になりつつある」と述べ、統合ログ管理、そしてDLP（Data Leak Prevention：情報漏えい防止）といった分野に力を入れていく方針を明らかにした。

　山野氏は、自社の従業員や顧客、パートナーがさまざまな環境から分散したデータにアクセスするようになった現在、境界（ゲートウェイ）で外部からの攻撃が入り込まないようにするアプローチだけでは限界があると指摘。また、特権ユーザーによる反攻やUSBメモリなどを介した情報漏えいへの対策もますます難しくなっていると説明した。

　RSAセキュリティでは、「データ」「情報」そのものにフォーカスしたセキュリティ対策を通じて、こうした問題に対処していく計画だ。具体的には統合ログ管理製品の「RSA enVision」に加え、DLP製品を投入していくことで、情報漏えいリスクを管理できるよう支援していく方針という。具体的な時期は未定だが、同社製品だけでなく、他社が提供するメールセキュリティアプライアンスやDRM（Digital Rights Management）と連携可能なDLPソリューションを提供し、「例えばRSAのDLP製品でデータの属性を判断し、その情報に基づいてDRMによりアクセスコントロールを行う、といった処理が可能になる」（山野氏）としている。

　また、導入が進む仮想化環境のセキュリティ確保にも取り組む。同社はVMware同様、EMCグループの一員。そのつながりから得られるナレッジを基に、仮想化環境向けのリスクアセスメントやセキュリティコンサルティングサービスを展開する計画だ。山野氏は、「企業が構築する仮想化インフラのセキュリティを強化するだけでなく、仮想化技術を活用した新しいタイプのセキュリティソリューションも提供していきたい」と述べた。