パッチ適用が困難な基幹サーバや仮想サーバを保護

トレンドマイクロ、「クラウドを保護する」サーバ向け製品

2010/01/21

 トレンドマイクロは1月21日、企業サーバ向けのセキュリティ製品「Trend Micro Deep Security」(TMDS)を発表した。

 TMDSの主な機能「Deep Security エージェント」は、ファイアウォールやIDS/IPS、Webアプリケーションプロテクションといった機能によって、サーバの脆弱性を狙った攻撃を阻止するセキュリティ製品だ。ファイルやレジストリに対する改ざん検知やセキュリティログの監視機能も備えている。ただし、いわゆるアンチウイルス機能は提供しない。

trendmicro01.jpg トレンドマイクロ 取締役 日本地域担当 大三川彰彦氏

 既存のサーバ向けウイルス対策製品「Server Protect」が主にファイルサーバの保護を想定しているのに対し、TMDSは、データベースサーバやWebアプリケーションサーバなど、ミッションクリティカル性が要求されるサーバをターゲットにしている。こうしたサーバでは安定運用が重視されるため、最新のパッチを常に適用することが難しい。これに対しTMDSは、仮想パッチなどの機能により、パッチ適用が困難な基幹サーバを保護できるという。

 TMDSのもう1つの機能に、VMware vSphere 4と連携しての仮想セキュリティアプライアンス機能「Deep Security Virtual Appliance」がある。これは、VMware vSphere 4上で動作する仮想マシンに対し、ファイアウォールやIDS/IPS、Webアプリケーションファイアウォールの機能を提供するものだ。仮想化導入の動機の1つに、古いOSで動作しているサーバを移行したいというものがあるが、そうした環境では最新のセキュリティソフトの導入が困難だ。Deep Security Virtual Applianceでは、エージェントソフトなどを導入することなく、ゲストOSを一括して保護するという。

 同社取締役 日本地域担当の大三川彰彦氏は、クラウドコンピューティングの普及を背景に、「従来型のサーバ環境だけでなく、仮想サーバやクラウドコンピューティング環境すべてにまたがり、統一したセキュリティを提供していきたい」と述べた。

 トレンドマイクロでは、ローカルPC上ではなく、トレンドマイクロが提供するクラウドサービス上でウイルス検査を実施するSmart Protection Network(SPN)によって、「クラウドによる保護」を提供してきた。今回発表したTMDSは、SPNを直接的に利用するものではない。しかし、サーバインフラを保護し、ひいては「クラウドそのものを保護する」ものという位置付けになる。

 Deep SecurityエージェントはWindows、Solaris、LinuxおよびHP-UX、AIXに対応しており、価格は1サーバ当たり8万4000円。Deep Security Virtual Applianceは23万円。これらを管理する「Deep Securityマネージャ」は237万5000円。3月1日に販売を開始する。

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(@IT 高橋睦美)

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