すべてのレイヤを統合したITシステムベンダに
オラクルがサン買収を完了、「業界標準のシステムでIBMを再現する」
2010/01/28
米サン・マイクロシステムズの買収を1月27日(米国時間)に完了した米オラクルは同日、米国でカンファレンスを開き、2社統合後の戦略について説明した。
社長のチャールズ・フィリップス(Charles Phillips)氏は「(全盛期の)IBMを業界標準のシステムでつくる」と話した。「以前のITシステムには、(信頼性を確保した)ゴールドスタンダードというものが存在した。しかしその後分断が起こった」。IT業界は多様な製品を手作業で組み合わせる時代に入ってしまった。これを以前の状態に戻したいと同氏は説明した。「検証され、最適化され、構築された状態でシステムを届けたい。レイヤごとに違う会社の製品が入っていると、サポートも難しい。1社ですべてを提供すれば、責任のなすり合いもなく、顧客は1社を呼び出せば済むようになる」。
米オラクル社長 チャールズ・フィリップス氏米オラクルは、ITシステムのワンストップショップ、ワンストップサポートを目指す。これまでオラクルは、アプリケーションから仮想化までのレイヤを統合的に提供することを推進してきた。今後はサーバ、ストレージといったハードウェアを含め、文字通りエンド・ツー・エンドで企業システムを一括提供していく。
フィリップス氏は成功例として、Sun Oracle Database Machineを挙げる。
「(データベースとサーバ/ストレージを)別々に考えてもある程度の改善は可能だったが、サンと統合的な取り組みをしたことで、違う考え方ができるようになった」。
結果は10〜15倍のパフォーマンス向上を実現し、フラッシュストレージの新たな可能性が生まれたという。2社がともに検証し、ともに認証したソリューションを届けられるようになったと話す。
オラクルはサンを手にしたことで、すべてのレイヤにわたるソリューションを統合的に提供できるという統合的なソリューションの提供は、顧客に対するサポートにも影響を与えるという。「例えば変更管理はリスクが大きい。(OSなどで)何らかのアップデートを行ったために、アプリケーションが動かなくなったという問い合わせは多い。われわれが(個々の顧客における)構成を把握していれば、プロアクティブに対応することができる」
「ピープルソフトを買収したときに、うまくいくはずはないと言われた。しかし、われわれは製品への投資を続け、こうした心配を払しょくした。サンについても、ブランドを維持するとともに、その活力を高めようとしている。われわれは、サンをサーバとストレージにおけるゴールドスタンダードにしていく」。オラクルはサン統合後の1年で43億ドルをR&Dに費やすという。
オラクルはサン統合後の1年で43億ドルをR&Dに費やすサンの各製品の今後に関する同社の説明は、別記事として掲載した。オラクルはサンの主要な製品や技術の多くを維持、あるいは拡張していく。しかし、ビジネスのやり方についてはさまざまな改革を行っていくという。
まず、コモディティ的な市場へのアプローチよりも、付加価値を高めるような顧客へのアプローチを進めていくという。
「約700社の大規模顧客とは直接的な関係を築いていく。大規模顧客に対するビジネスでのパートナーとの関係は、顧客に対する価値というベースで考えていく」。より小規模な顧客への対応ではパートナーを活用していくが、パートナーに対して専門性を求めていくという。
サンは社内的にもジェネラリスト志向だったとフィリップス氏は話した。「これからは特定のテーマを把握している専門家を増やす。そして業界でもっとも高給取りの販売部隊をつくりたい」(フィリップス氏)。同カンファレンスに、オラクルの幹部は全員「We're hiring」と書かれたバッジをつけて登場。同社は計約2000人をいますぐにでも雇用することを考えているという。
一方フィリップス氏は、これまでサンではSKU(最小出荷単位)の数が多すぎたとも指摘。製品の数を減らすとともに、全製品で在庫を持たないモデルに移行、サプライチェーンを最適化するとしている。
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