Silverlight圧縮・高速化製品も

VS 2010向けのコンポーネントを多数強化、グレープシティ

2010/02/10

 グレープシティは2月10日、.NET Framework用のコンポーネントスイート「ComponentOne Studio Enterprise 2010J(以下、コンポーネントワンスタジオエンタープライズ)」の発売を開始した。対応プラットフォームが、これまでのWindows Forms、ASP.NET、WPFに加え、Silverlight 3版へと拡大した。グレープシティ初のSilverlight対応コンポーネント提供となる。Silverlightはバージョン3になって初めて、業務に耐え得るものになったからだという。

 業務システムに必要とされるグリッドやチャート、帳票、スケジュール、フォームデザイン、各種のナビゲーションなどのコンポーネントをプラットフォームごとに多数収録。また、プラットフォームを限定した3つのエディション「for Windows Forms 2010J」「for ASP.NET 2010J」「for Silverlight 2010J」も提供する。

 ASP.NET版は、すべてAjaxに対応して、スライドやフェイドインなどの動的なアニメーションエフェクトを備え、23個の新しいコンポーネントを追加している。

 WPF版では、グリッドやチャート、レポートにおける機能を強化している。特に、レポート機能では、レポートデザイナをリニューアルし、ボタンやチェックボックスを表示できるPDFフォームの出力もできるようになった。

 Silverlight版には、Silverlight 3のコントロール39種を収録。アニメーションしてインタラクティブ性を持つグラフ、Microsoft Outlookスタイルのグループ化も可能なDataGrid、DataSetを利用したデータ連携ができるData、地図を表示するMap、コンテンツを本のようなページで表示し、マウス操作でナビゲートできるBook、iTunesのようなCoverFlow、Reflectorなどだ。単にSilverlightのコンポーネントというだけではなく、JavaScriptとも連携して、Internet Explorerで再生できない一部のGIFアニメを再生できるようにしている。これらは、同社のWebサイトで実際に試すことができる。

ComponentOne Studio Silverlight Controller Explorer ComponentOne Studio Silverlight Controller Explorer

 業務に欠かせないレポート/帳票機能は、Silverlight 3で印刷機能がないため、対応できてない。Silverlight 4の登場を待つか、独自機能で実現できないか検討中だという。

 Silverlightのコンポーネントを利用するとなると、そのパフォーマンスが問題となることが多い。大容量のライブラリを含むXAPファイルをすべてダウンロードして使うため、処理が重くなってしまうからだ。同社では、XAPファイルの用量を最大70%削減するという「XAPOptimizer 1.0J」も提供しており、この問題にも対応している。XAPOptimizer 1.0Jを利用する開発者は、使うコンポーネントが要求する以外のリソースを削除して、新しいXAPファイルを生成してユーザーに提供できる。大容量のコンポーネントを使うSilverlightアプリケーションを開発するときに、特に有効だという。

 また同社は、コンポーネントワンスタジオエンタープライズ収録のコンポーネントのうち、「TrueChart for Windows Forms」「TrueChart for ASP.NET」「FlexGrid for Windows Forms」は単体製品として新バージョンを提供する。FlexGridでは、レコードのフィルタリング機能や集計時のイベントを追加し、インタラクティブなデータ表示が可能となった。TrueChartでは、ラベルの縦書き表示が可能になり、PDF生成コンポーネントの電子署名対応や、XLS生成コンポーネントの数式サポートなどを追加した。

 また、同社は2月9日、.NET Framework用のコンポーネント「SPREAD for Windows Forms 5.0J(以下、スプレッド)」を2010年4月2日に発売開始すると発表した。スプレッドは、Excelと同等のユーザーインターフェイスと表計算機能を業務アプリケーションに実装できる、Windows Forms/ASP.NET用の表計算コンポーネント。ソートやフィルタリング、階層的なグループ化、Excel関数による数式入力、Excelデータのインポート/エクスポートなどを実現できる。

スプレッドのチャートコンポーネント スプレッドのチャートコンポーネント

 新バージョンの5.0Jでは、折れ線、棒、円チャートのほかローソク足や散布図など、2D/3D併せて85種をサポートしたチャート機能を追加し、シート上のデータからコーディングせずにグラフを生成、配置できるようになった。また、これまでのXLS/CSV/HTML形式に加え、PDF形式の出力も可能になったという。

 これらコンポーネントの主な対応開発環境は、Visual Studio(以下、VS) 2008とExpression Blend 3となっているが、同社はVS 2010への対応も表明しており、VS 2010日本語版リリース時には、アップデート版を無償で提供するという。

(@IT 平田修)

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