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「連結先行」巡り意見が割れる

包括利益表示の基準化が第2四半期に延期、ASBJ

2010/03/26

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 企業会計基準委員会(ASBJ)は3月25日、同日に予定していた包括利益表示の基準化を見送った。包括利益表示は会計コンバージェンス項目の1つで、当初は3月末までに基準化する方針だった。5月下旬か6月はじめまで議論を続け、2010年度第2四半期に基準化を図る考え。「連結先行」の考えについて関係者で相違があり、コンセンサスを得るために議論を深める必要があると判断した。

 包括利益表示は2009年12月25日に公開草案を公表し、2010年2月1日までコメントを募集していた。そのコメント結果を受けて開催した3月11日の第197回企業会計基準委員会では、3月25日の第198回企業会計基準委員会で、基準化を議決するかどうかで意見が割れた。

 公開草案では、単体と連結の財務諸表に包括利益表示を適用するとしているが、日本のIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の適用は連結財務諸表が対象で「連結先行」の考えが採られている。連単に包括利益表示を適用するとその連結先行の考えと整合性が取れなくなる。3月11日の議論ではIFRS適用に関する連結先行の考えについて議論を深めて、関係者のコンセンサスを得るべきとの意見が多くあったようだ。

 包括利益表示の基準化延期については3月26日に開催された金融庁の企業会計審議会総会に提出された資料(PDF)でも言及されている。資料では基準化を「2010年2Q」としていて、ASBJは「上場会社における個別財務諸表の取扱い(連結先行の考え方)について、関係者とともに検討を開始する予定」と記載している。

 包括利益表示は2010年4月1日以後に開始する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用する、と公開草案では提案している。

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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