コンタクトセンターのノウハウを生かした業務プロセス管理をエンタープライズ分野にもアピール

» 2010年05月20日 00時00分 公開
[伏見学,@IT]

 コンタクトセンター向け製品を提供するインタラクティブ・インテリジェンスは5月20日、企業の業務プロセスを自動化するソフトウェア製品「Interaction Process Automation(IPA)」の日本語版を販売開始した。価格はオープン。保険業界を中心に売り上げ拡大を狙う。

 新製品は、これまで担当者が手動で対応していた業務や紙ベースで行われていた業務のプロセスをシステム化するというもの。同社が実績を持つコンタクトセンター製品の技術がベースになっており、担当者への業務の効率的な割り当てや優先付け(ルーティング)、作業の進ちょく状況や経過時間などのリアルタイムな管理、コンプライアンス対策としての一連業務の記録といった機能を持つ。「IceLib」と呼ばれる独自のAPIによって、既存のCRMパッケージや財務管理アプリケーション、顧客データベースなどとの連携が可能なため、導入コストや開発コストを抑えられるほか、オープン技術を採用しておりユーザー企業の業務に合わせたカスタマイズが容易だという。

 基本的には、業務フローと画面インターフェイスを設計し、アクションパターン(Aを選択したらBに進むといったルール)を決めるだけでよく、社内人事用の休暇申請システムなど簡易なものであれば、IPA単体で構築できるのも特徴だ。同社でマーケティング・マネージャを務める田村善律氏は「従来のBPM(業務プロセス管理)製品と比べて細かい設定が必要なく、迅速に導入できるのが強み」と語る。

社内人事システムの構築例 社内人事システムの構築例

エンタープライズ分野にアピール

 同日開かれた記者説明会では、米国のルーズベルト大学(Roosevelt University)での導入事例が紹介された。同大学では入学申請の業務でIPAを活用している。入学希望者がWebページから申請すると、その登録情報データがIPAに取り込まれて入学受付担当者に届く。その後の承認フローがすべてIPA上で行われて、最終的に入学希望者に入学を認可するメールが送られる仕組みだ。例えば、奨学金も併せて申請する者がいれば、承認フローの中で与信調査に関する外部のWebサービスを利用して、IPAの上で照合できる。「部署をまたいで複数人の手を介していた業務プロセスを1つのシステムで完結するだけでなく、担当者のパフォーマンス管理によって、業務がどこで止まっているか明確に把握できるようになった」と同社でエンジニアリング・マネージャを務める大西真氏は説明する。

 これまで同社は、IPコミュニケーション統合ソフトウェア「カスタマー・インタラクション・センター(CIC)」を主力製品にコンタクトセンター関連の売り上げが大多数を占めていたが、IPAを基軸に「エンタープライズ分野にもアピール」(田村氏)していきたいとしている。

大西真エンジニアリング・マネージャ(左)と田村善律マーケティング・マネージャ 大西真エンジニアリング・マネージャ(左)と田村善律マーケティング・マネージャ

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