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NTTデータ ビズインテグラルに聞く

IFRSで浮上する子会社のITガバナンス問題

2010/08/30

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 ERPパッケージを開発、提供するNTTデータ ビズインテグラルは9月上旬にIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)に対応する会計モジュールを発表する予定で、今後、中堅・中小企業から大企業まで攻勢を強める。IFRS適用を前に企業はどう動くのか。同社代表取締役社長 中山義人氏に聞いた。

 「多くの企業ではどのようにIFRSに対応すればいいのか悩んでいるところだ。海外の売上比率が高い企業が先行していて、IFRSの適用方針をすでに定めている」。中山氏は日本企業のIFRS適用の現状をこう指摘する。グローバル展開する製造業を中心にIFRS適用の準備を進めているが、1つの課題が浮上しているという。それは子会社のIFRS対応をどうするのかという課題だ。

biz01.jpg NTTデータ ビズインテグラル 代表取締役社長 中山義人氏

 「グループ企業のすべてにIFRS適用をするのは難しい、というのが共通認識。子会社の適用方針をどうするかが重要で、そのためにはグループ企業のITガバナンスも再考する必要がある」と中山氏は指摘する。子会社の経理処理、もしくはIT基盤をどうするのかはIFRS適用が持ち上がる前から浮上していた問題だ。連結決算処理では決算早期化の流れの中で、子会社から収集する財務データの品質や効率化が常に課題となっていた。内部統制の重要な欠陥の多くが子会社で見られるなど、野放しとなっている子会社も多い。

 子会社へのガバナンスを向上させ、業務の効率化を図るという名目で提案されるのがIT基盤の統一だ。グループ内でバラバラのITシステムを1つのプラットフォームに統一し、効率的な処理や管理を可能にする。併せて業務プロセスもグループ内で標準化することでITシステム以外の業務も効率化し、品質を高める。つまり個別最適から全体最適だ。ERPパッケージが最も得意とするエリアともいえるだろう。

 中山氏もこのIT基盤統一の考えを推している。「景気がよい時はIT投資を行えるので事業部ごとのサイロ型のITシステムでもよかった。しかし、経済がシュリンクする中、メンテナンスにコストがかかるサイロ型のITシステムが足かせになっているという企業が増えてきた。全体最適の重要性に気付き、IT基盤の見直しを進める企業も出てきた」

 基盤統一の流れは自動車の歴史にも見ることができると中山氏はいう。「IT基盤は自動車でいえば車体。自動車の車種はここ10年で3〜4倍になっているが、自動車メーカーの開発投資金額は変わっていない。それは車体を共通化しているからだ。車体共通化によってコストを削減している。企業にとっては車体となるIT基盤をどう開発するかが重要になっている」

 だが、業務の中心となっているIT基盤の構築、再構築は企業にとって極めて負荷が大きい仕事だ。それこそIT投資が増えない中で尻込みすることが考えられる。そのためNTTデータ ビズインテグラルのERP「Biz∫」ではSOA技術を活用し、既存のITシステムを生かしながら新しいIT基盤を徐々に構築する仕組みを採っている。また、ERPの各アプリケーションについても自社ですべてを開発するのではなく、実績のあるパートナー企業のアプリケーションをそのIT基盤に載せる方法だ。「最終的には日本代表のERPを作っていく」と中山氏は意気込む。

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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