クラウドとデバイスの連携で広がる可能性

【動画】「Chrome to Phone」でAndroidが便利に!

2010/11/10

 今年5月にGoogle I/Oで発表されたAndroid 2.2(Froyo)の目玉機能の1つは「Cloud-to-Device Messaging API」(C2DM)と呼ばれる、クラウドとデバイスの連携機能だ。グーグルのクラウドを経由することで、サードパーティのサーバやPCからスマートフォンなどのデバイスに対して、ちょっとしたメッセージを送信できる。

cloudapi.jpg Android 2.2以上ではクラウドとデバイスの連携をサポートするAPIが使える
button.png ブラウザ(Google Chrome)に拡張機能を入れれば、URL情報などを手軽にスマートフォンに送れる

 このAPIを使うと、例えば、Webサービス側からAndroidアプリに対して、何らかの小さなデータをプッシュするということができる。APIの利用にはAndroid 2.2以上が必須なので、今のところ、こうした使い方をするサービスやアプリは一般的ではない。代わりに、このAPIを使った最初の華々しい例が、グーグル自身による、「Chrome to Phone」というサービスということになる。グーグルの開発者がサンプルとして提供している「JumpNote」というアプリもあって、これはWebサービスとデバイスで双方向に同期するメモアプリということになっているが、きちんと動作しておらず、これはAPIの使い方を学習するためのコードサンプルという印象だ。

 Chrome to Phoneを利用するには、Chromeに拡張機能を入れることと、Android側にも専用アプリを入れておくことが必要。それぞれをGoogleのアカウントにひも付ければ設定は終わりだ。

 ちなみにChrome to Phoneは専用アプリのインストールが必要だが、C2DM API自体は、特定のアプリやUIに依存するものではなく、Android上の“インテント”という仕組みを使っている。インテントはシステム上で、すべてのアプリに対してブロードキャストされるメッセージで、各アプリはインテントの種類によって自分が処理すべきインテントかどうかを判断する。例えば、YouTube動画のURLを含むインテントだと、各種ブラウザやYouTube専用プレイヤーが反応するといった感じで、ちょうどWindowsにおける拡張子の関連付けに似たような機能が実現できている。C2DM APIはもともとローカルなシステム上で閉じていたインテントの仕組みを「デバイスークラウドーPC」に広げる試みといえるだろう。

PCで見ているコンテンツ、続きはスマフォで

 さて、Chrome to Phoneについては、グーグルの公式ブログで、すでに11月4日にアナウンスがあったので、やや旧聞に属するのかもしれないが、非常に便利に感じたので、ここでは動画でご紹介したい。

 Chrome to Phoneの機能をヒトコトでいえば、PC上のブラウザで閲覧しているWebページなどのコンテンツのURLを、ワンクリックでスマートフォン上に送る機能だ。今のところ、URL、地図、動画、テキスト、電話番号などに対応している。



 Chrome to Phoneは、それはそれで非常に便利な機能・サービスだが、C2DM APIを使って今後どういうサービスが可能になるのか楽しみだ。

(@IT 西村賢)

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