日本オラクル、Exalogic Elastic Cloudを直販中心で販売開始Java最速の環境を最小構成で4000万円から

» 2011年01月25日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本オラクルは1月24日、クラウドコンピューティングにおけるアプリケーションインフラを目指したアプライアンス製品「Oracle Exalogic Elastic Cloud X2-2」(以下、Exalogic)の受注を開始したと発表した。Exalogicは、2010年9月に実施された同社のイベント「Oracle OpenWorld 2010」で発表されたクラウドコンピューティング向けソリューションで、アプリケーションサーバの「WebLogic」や仮想化環境「Oracle VM」、InfiniBandなどを搭載。価格は「ハードウェアの最小構成だけで4000〜5000万円から」(日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクター 清水照久氏)だという。

氏写真 米オラクル・コーポレーション 製品管理担当バイスプレジデント モハメド・アフシャー氏

 Exalogicは、ハードウェアとアプリケーションを一体化したクラウドコンピューティング向けのアプライアンス製品。Javaアプリケーションが高速に動作するように、各種チューニングをあらかじめ実施しているほか、InfiniBandを搭載することで高パフォーマンスを実現したという。

 アプリケーションサーバ「WebLogic」、データグリッド「Coherence」、JavaVM「JRockit」などがあらかじめ搭載・最適化されているほか、「Oracle Fusion Applications」や「Oracle Siebel」「Oracle E-Business Suite」など、同社のJavaアプリケーションもサポートしている。ハードウェアには、CPUに「SPARCプロセッサ」と「Intel Xeonプロセッサ」の2種類を用意。96コアで768ギガバイトのメモリ、256ギガバイトのSSDを搭載する4分の1ラックモデルから、最大規模で2880コア、同22.4テラバイト、同7.7テラバイトを搭載する8ラック構成まで可能とする。

 米オラクル・コーポレーション 製品管理担当バイスプレジデント モハメド・アフシャー(Mohamad Afshar)氏は、「これら、クラウドコンピューティングに必要なアプリケーション群をプリセットし、スイッチを入れるだけで利用開始できる点は大きい。構築期間や構築コストを大幅に削減できる。一貫した体制でサポートできる点も大きい。また、ハードウェア面でも、InfiniBandを搭載するなど、クラウドコンピューティング環境で最高のパフォーマンスを実現できるように最適化した」とコメントした。

 実際にInfiniBandは、ネットワークI/Oを中心にExalogic向けに改良。メモリバッファコピー処理を排除したり、パケットサイズを4KBから64KBに拡大することでオーバーヘッドを削減した。これらの改良によってプロセス間通信を最適化し、従来と比較して処理量が60%向上し、遅延時間は2分の1に短縮できたという。

 日本市場では、Exadataと同様に直販中心の販売体制を構築。清水氏は日本市場について、「2010年9月の発表以降、3カ月半で30社強のお客さまに紹介し、評価を受けている。すでに数社が導入を検討している。日本のユーザーの場合、ハーフラックのモデルが売れ筋になるだろう」と説明。既存パートナーやSIerからの意見について、日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は、「直販中心で販売していくことに対して、パートナー企業やSIerからお叱りの意見を受けている面もある。しかし、Exadataは開発環境を提供するものなのでSI業務がなくなるわけではない。その点をパートナー企業には説明をしていく」とコメントした。

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