これで大型案件でも勝負できる〜ネティーザ新社長IBMによる買収後の戦略を発表

» 2011年04月26日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 日本ネティーザは4月26日、報道関係者向けの説明会を実施。2010年9月に実施されたIBMによる同社の買収および統合について説明した。

法華津氏写真 日本ネティーザの新しい社長に就任した法華津誠氏

 ネティーザは2003年より、DWHアプライアンスに特化したベンダとして営業を開始。2009年には年間売上高が1億9060億ドル、顧客数はワールドワイドで350社に、日本国内では50社まで成長。2009年9月に発売した「Netezza TwinFin」は、リリース後8カ月間で450セット以上を売り上げたという。

 そのネティーザに対して、2010年9月に米IBMが約17億ドルでの買収を発表。同年11月には買収を完了しており、2011年には販売プロセスの統合を完了させる予定だと言う。

 日本ネティーザは現在、日本IBMのソフトウェア事業部 インフォメーション・マネジメント事業部に統合され、2011年2月からは新社長に元同社技術本部長の法華津誠氏が就任した。法華津氏は、「買収後も、NECなどの従来からのパートナーとの関係を維持・強化していく。旧ネティーザの組織・体制も維持する。当社からしてみれば、『さらにIBMというパートナーを得た』ようなイメージでいる」とコメントした。

イメージ写真 IBMにおけるネティーザ製品の位置付け。同社のローエンドユーザー向けに提供される予定だ

 今後は、IBMの「Information Management製品群」の一部としてネティーザ製品を位置付け、すでにIBMの営業マンが販売を開始しているという。プロダクト・ポジショニングとしては、「IBM Smart Analytics System」(ISAS)よりも小規模ユーザー向けだ。日本IBM ソフトウェア事業 理事 インフォメーション・マネジメント事業部長 俵雄一氏は、「ネティーザを得て、『当社は本当に強い武器を得た』と感じている。当社は、ハイエンド向けにソフトウェア製品の『IBM InfoSphere Warehouse』、ミドルレンジに自由度の高いコンポーネントタイプのISASを持っていた。これに加え、アプライアンスのネティーザを得たことで多様なニーズに応えられるようになった点は大きい」と説明した。

 法華津氏は、「DWH市場において、アプライアンス製品に特化した当社製品は、それなりの存在感を示していたが、日本法人の在籍者は20名程度だ。やはり企業規模において競合他社とは大きな差があり、大企業の案件では信用が少ないという理由で検討対象に含まれないケースもあった。今回IBMに買収されたことで、この点を払しょくできたのは大きい。これで大型案件でも他社と勝負できる。IBM内でも注目を集めており、社内セミナーには300人近くの社員が集まってくれた。前年比でも大幅成長しており、アプライアンス製品なので導入期間が短く、回転が速い点も評価されている」と、買収効果について説明した。

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