スマートフォンからのリモートアクセスをセキュアに

ジェイズとファルコンSCが協業、SSL VPNと画像認証を連携

2011/09/05

 ジェイズ・コミュニケーションは9月5日、同社が取り扱っているSSL VPN/NACアプライアンス「MAGシリーズ」と、ファルコンシステムコンサルティングのRADIUS対応認証製品「WisePoint Authenticator」の連携動作を確認したことを発表した。両社はこれを機に、2製品の販売活動を共同で実施していく。

 MAGシリーズは、米ジュニパーネットワークスが開発したSSL VPN/NACアプライアンスで、Webブラウザ経由でSSL VPNによる安全なリモートアクセスを可能にする。ジュニパーがPCやスマートフォン向けに提供しているエンドポイントセキュリティソフト「Junos Pulse」を組み合わせれば、WAN高速化などの機能も利用できる。

 一方のWisePoint Authenticatorは、RADIUS対応のワンタイムパスワード認証システムだ。トークンなどの代わりに、画像を用いて認証を行う「イメージングマトリクス認証」や乱数表による「マトリクスコード認証」、スマートデバイスの個体識別認証といった機能を提供する。専用デバイスを利用する必要がなく、手軽に高い強度の認証を実現できることが特徴だ。

 今回の動作連携では、WisePoint Authenticatorで認証を済ませると、MAGシリーズにシームレスに接続し、Junos Pulseが自動的に起動する。ユーザーに特別な操作を求めることなく、SSL VPN利用時の認証強度を高めることができる。これにより、事業継続計画や電力不足対策の一環として在宅勤務を行う際のリモートアクセスを、より安全なものにするという。

 この連携機能は、PCからだけでなく、iPhoneやiPadといったモバイルデバイスからも利用できる。ファルコンシステムコンサルティング代表取締役社長の高橋正廸氏は、「画像をタップして認証を行うイメージングマトリクス認証は、タッチデバイス、スマートデバイスの認証に最適だ」と述べた。今後、AndroidやWindows PhoneなどiOS以外の機器への対応も検討していく。

 また、「モバイルデバイスとクラウドの接点は認証である」(高橋氏)という認識に立って、クラウドサービスとの連携も強化する。すでにGoogle Appsについて、SAML 2.0を介したシングルサインオンを確認しているが、それ以外のクラウドサービスにもサポートを拡大していく方針だ。

 なおジェイズ・コミュニケーションは同時に、MAGシリーズの取り扱いを拡大し、最大1000同時接続までサポート可能な「MAG4610 Junos Pulseゲートウェイ」の販売を開始したことも発表した。併せて、災害発生などで多数のユーザーがリモートアクセスを強いられるような状況に備え、一時的に同時接続数の制限を緩和する「In Case of Emergence(ICE)ライセンスオプション」の販売も開始した。

(@IT 高橋睦美)

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