ネットワールドが国内販売を開始

デスクトップ仮想化を加速化する「ILIO」って何だ

2011/09/09

 ネットワールドが9月8日、デスクトップ仮想化のパフォーマンス向上とストレージコスト削減に貢献するという「Atlantis ILIO(イリオ)2.0」の国内発売を発表した。どのような製品なのだろうか。

 ネットワールドの説明によると、ILIOはおもに3つの技術を備えている。まず仮想マシン(仮想デスクトップ)からディスクへの書き込みにおけるインラインの重複除外。そして細かな複数のランダム書き込みをまとめ、さらにシーケンシャルな書き込みに変える機能。そしてもう1つは双方向のキャッシングだという。

ilio01.jpg ILIOは、複数の仮想デスクトップのI/Oをいったん受けて、効率化する役割を果たす

 ILIOは仮想アプライアンス(仮想マシン)として、仮想化ホスト上で動作する。そして、横で動いている仮想デスクトップのストレージI/Oを、いったん受ける。これによって行うのは、各仮想デスクトップからの、細かな書き込みの処理だ。

 仮想Windowsデスクトップは、それぞれがアプリケーションファイルの自動保存やページング、レジストリ書き込み、ウイルス対策ソフトの動作などで、頻繁なディスクアクセスを行う。しかも、Windows XP/7 をローカルPCで利用している際は、最大64Kバイトサイズのブロックで書き込むが、ハイパーバイザーを通すと、4Kバイトサイズのブロックに分断され、これがランダムに送られる。しかもこれが仮想デスクトップ同士で競合する。ネットワールドによると、このことがデスクトップ仮想化のパフォーマンスを低下させる大きな要因になっているという。

 ILIOではレジストリデータ、ドライバ、ページファイル、アプリケーションファイルなどを双方向でキャッシュする。このため、NAS/SANストレージへのアクセスを減らすことができるという。また、インラインでの重複除外により、ストレージへの書き込みを減らす。さらにILIOは、複数仮想デスクトップからのストレージへの書き込みを最大64Kバイトのブロックにし、シーケンシャルに送ることで、書き込み作業を効率化するという。

 デスクトップ仮想化におけるストレージI/Oのうち80%が書き込み、20%が読み出しであり、おもに書き込みで上記のような処理を行うことで、パフォーマンス向上と統合率の向上が図れるという。また、キャッシュと重複除外により、ストレージ容量を節約する。ある独立機関の検証によると、ストレージを90%以上節約できたという。なお、多数の仮想デスクトップをほとんど同時に起動するような場合は、読み出しの高速化が必要だが、これについても読み出しのキャッシングで対応できるという。

 ネットワールドは、Citrix XenDesktop、VMware Viewに対応したソリューションとしてILIOを販売する。10月4日のCitrix iForumでも、これを詳しく紹介するという。

(@IT 三木泉)

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