端末紛失/盗難の危険性もあらためて指摘

「Androidマルウェアは半年で400%増」、ジュニパーがレポート公表

2011/09/29

 ジュニパーネットワークスは9月28日、「モバイル脅威に関するレポート 2010/2011年度版」を公表した。Androidをはじめとするモバイル端末をターゲットとするマルウェアが爆発的に増加している現状が明らかになったという。

 このレポートによると、2009年から2010年にかけての1年間で、モバイルマルウェアは200%増加した。さらに悪いことに、2010年6月からの半年間だけで、Android OSを標的にするマルウェアサンプル数は400%増加を見せたという。

 同社マーケティング本部 サービスプロバイダーマーケティング マネージャーの佐宗大介氏は、「Androidはものすごい勢いで普及しているが、それに伴ってマルウェアも急増している」と、PCに比べて急激にマルウェアが広がっていることを指摘した。

 数の増加と同時に、マルウェアの高度化、複雑化も進んでいる。2010年1月に発見されたAndroid初のマルウェアは、単純にオンライン銀行の名前をかたったアプリで、フィッシング詐欺を仕掛けるものだった。だが、同年8月にはSMS型トロイの木馬「Fake Player」が、12月にはボット型不正プログラム「Geinimi」が登場。Geinimiでは、管理者権限を奪取し、外部からの指令に従わせるといったことが可能になってしまった。ほかに、アドレス帳を参照してほかのデバイスへ拡散する自己増殖型コードや、少しずつ自身の姿を変えて検出されにくくするポリモーフィック型攻撃なども増加しているという。

 このように脅威が急増する一方で、対策は進んでいない。今回のレポートでは、アンチウイルス機能を実装していないスマートフォン利用者は、全体の85%に上った。「多くのスマートフォンは、まっさらのまま直接インターネットにつないでいるという、PCでは想像できない状態にある」(佐宗氏)。

 レポートはまた、モバイルを取り巻くマルウェア以外の脅威についても指摘している。その代表が「紛失/盗難」だ。同社のモバイル端末保護製品「Junos Pulse」のユーザーのうち20人に1人が、端末の紛失または盗難を経験したという。

 「盗難はとても身近な問題だが、現状のところ、あまりその危険性が認知されておらず、対策が普及していない」(佐宗氏)。ただし、紛失/盗難を経験したJunos Pulseユーザーのうち3分の1はGPSで端末の位置を特定。さらにそのうち77%は、端末が手元に戻ってくるまで、不正アクセスを防ぐためロックを実施したという。

(@IT 高橋睦美)

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