データの安全性や可用性を向上

Azure利用の「世界分散ストレージサービス」発表、日本MSとNRIセキュア

2011/10/13

 日本マイクロソフトとNRIセキュアテクノロジーズは10月12日、クラウドストレージサービスの「世界分散ストレージサービス(仮称)」を、2011年11月上旬に販売開始すると発表した。米Microsoftが保有する世界中のデータセンターにデータを分散配置することで、データの安全性や可用性を高めるという。

 データの保存に、「秘密分散技術」と呼ぶ技術を利用したのが特徴だ。これは、データを複数の断片に分割し、1つの断片からは元のデータが推測できない状態にする技術。さらに1つの断片を複数のデータセンターに保存することにより、仮に1つのデータセンターに障害が起きてもデータを復元できる。

 利用する技術は、NRIセキュアが既に提供しているサービス「SecureCube / Secret Share」と同じである。違いはSecureCube / Secret Shareが、(1)国内データセンターを利用する点、(2)ストレージ領域をユーザー企業間で共有する点(新サービスは企業ごとにストレージ領域を確保)となる。

 データは、米MicrosoftのPaaS(Platform as a Service)である「Windows Azure Platform」を運用する世界6カ所のデータセンターに保存する。エンドユーザーは、PC上に専用のクライアントソフトを導入してサービスを利用する。クライアントソフトのインストーラがPC内に自動作成する専用フォルダにファイルをコピーすると、クライアントソフトがデータを分割し、指定したDCに自動転送する。分割したデータは、Azureのデータセンターに自動保存する。データを保存するデータセンターは、6カ所の中から3カ所以上を選択可能だ。

 サービスの販売はNRIセキュアが担い、3年間で300社の導入を目指す。当面は国内向けに販売するが、「米Microsoftとの連携による海外市場への展開も視野に入れる」(NRIセキュアのイノベーション事業本部長である佐藤 敦氏)。日本マイクロソフトは直接サービスを販売しないが、「Azure上で動作するアプリケーションを開発するベンダーに、データ保存エンジンとして提供することを考えている」(日本マイクロソフトのクラウドプラットフォーム推進部エバンジェリストである野村一行氏)。利用料金は今後詰める。

(TechTargetジャパン 鳥越武史)

情報をお寄せください:

Server & Storage フォーラム 新着記事
@ITメールマガジン 新着情報やスタッフのコラムがメールで届きます(無料)

キャリアアップ

- PR -

注目のテーマ

ソリューションFLASH

「ITmedia マーケティング」新着記事

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。

ジェンダーレス消費の実態 男性向けメイクアップ需要が伸長
男性の間で美容に関する意識が高まりを見せています。カタリナ マーケティング ジャパン...